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『街の灯』チャールズ・チャップリン [映画]

日が暮れるのが随分、早くなりましたね。
夕方 6 時前でも、すっかり暗くなっていて、車のテール・ランプや街灯がキラキラしています。

で、1931年製作、チャップリンの名作『街の灯』です。

盲目の花売り娘に、なけなしのお金を渡して花を買う浮浪者チャップリン。
さらには彼女の目を治すのに必要なお金を稼ぐために、いろいろな仕事をして働くチャップリン。
チャップリンならではのコミカルなシーンで中盤はさんざん笑わせてくれて、最後は・・・。

ラストに登場するチャップリンは、以前よりもさらに落ちぶれて、ズボンもボロボロ。
一方、目が見えるようになった彼女は、そんなチャップリンを見て、ちょっと小馬鹿にしたような表情を見せます。

でも、わかっちゃうんですよね。
気づいてしまうんですよね。

「あなたでしたの?」
人間の手のぬくもり・・・って、嘘をつかないんだなぁ・・・。

何度、観ても、最後のシーンには涙してしまいます。
チャップリンの心情を思うと・・・です。

彼女の目が見えるようになった喜び
落ちぶれた浮浪者が、手術代を工面してくれた恩人だと知った彼女の当惑・・・を見た哀しさ

花をくわえて複雑な笑みを浮かべるチャップリンの表情が強く心に残る映画です。



街の灯 コレクターズ・エディション

街の灯 コレクターズ・エディション

  •  朝日新聞社
  •  2004/01/23
  •  DVD


タグ:映画 1930年代
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コメント 19

椎名

これは名作ですよね!!
学校の授業でみました!
映像と文化って授業あんですけど、
先生が絶賛してましたよ!
サイレントムービー?でしたっけ。。
言葉を使わなくても笑える表現力が
凄いですよね!!ヒトラー批判の独裁者も
見てみたいんですよね~。
by 椎名 (2007-10-06 21:18) 

アートフル ドジャー

名作!ですよね~。よく目は口程にモノを言うっとは言いますっが、手の方が言うかも、親近感・嫌悪感等は口や目では誤魔化せても手から伝わる感情は嘘をつけないですよね~。
by アートフル ドジャー (2007-10-06 22:00) 

薔薇少女

ヤマハの後、東宝に勤めていた時、チャップリン
特別上映週間開催中の時、場内監視をしながら、
初めてチャップリンの映画を見ました。
喜劇なんて・・・とバカにしてた自分が大馬鹿でした。
なんと切なく美しい映画・・・ただただ感涙でした。
仕事中なのに、涙が止まらず、困ってしまいました。
その頃は二本立てが当たり前の時代でした。
by 薔薇少女 (2007-10-06 22:06) 

びっけ

椎名さん、nice!&コメントありがとうございます。
「映像と文化」かぁ・・・。
今の大学は、いろいろと面白そうな講義があって、ちょっぴり羨ましいです!
そうそう、サイレント映画です。
初めてサイレント映画を観た時は、オーバーアクションと早回し風の映像と字だけが出るシーンに違和感を感じましたが、慣れてくると、映像と音楽だけで進行するこのスタイル、結構、好きになりました。
★ 『独裁者』・・・あの時代に製作した!ということに感服します。
by びっけ (2007-10-06 23:43) 

びっけ

アートフル ドジャーさん、nice!&コメントありがとうございます。
他人の手を握ることって、日常生活では あまり無いから、それだけに握った手のぬくもりって、ジーンときますよね。
by びっけ (2007-10-07 00:02) 

びっけ

薔薇少女さん、nice!&コメントありがとうございました。
>なんと切なく美しい映画・・・ただただ感涙でした。
私も、チャップリンはあまりに有名すぎて、かえって敬遠していたのですが、映画館で観て感動しました。
私が観たのは1980年12月・・・『街の灯』と『ライム・ライト』の二本立てでしたね。
by びっけ (2007-10-07 00:04) 

YaCoHa

こんにちは。私もこの作品大好きでした。
『街の灯』と『ライム・ライト』の二本立て・・・って、
最強コンビじゃないですか!(羨ましい・・・。)
by YaCoHa (2007-10-07 02:19) 

たいへー

いいっすね~~。 笑いっぱなしじゃなくて、
ちゃんと感動できる所がチャップリンの素晴らしさです。
無声映画なんだけれど、声が聞こえてくるようですね。
by たいへー (2007-10-07 10:22) 

かおり

中学生のとき初めて観たチャップリンでした
いまでもいちばん好きな作品です♪
画面にジッと集中して観る映画
とても新鮮でしたね★
by かおり (2007-10-07 12:27) 

びっけ

Yakoha さん、nice!&コメントありがとうございます。
『ライム・ライト』のチャップリンは、若い頃のちょび髭山高帽子のイメージと随分違っていましたが、あの目は変わりませんでしたね。
キュートで優しい目でした。
by びっけ (2007-10-07 19:42) 

びっけ

たいへーさん、nice!&コメントありがとうございます。
>無声映画なんだけれど、声が聞こえてくるようですね。
あっ! それ、言えてますね。
心に直接、声が語りかけてくる感じですね。
by びっけ (2007-10-07 19:43) 

びっけ

青い花さん、nice!&コメントありがとうございます。
>中学生のとき初めて観たチャップリンでした
多感な時期にご覧になったとあっては、なおのこと印象に残ったことでしょう。
最近のジェットコースター・ムービーも面白くはあるけれど、時々、こういうモノクロ・トーキー映画もいいですよね。
by びっけ (2007-10-07 19:45) 

表情だけの演技ですよね。。。これで観客の心掴むのだから凄いですよね
by (2007-10-08 16:50) 

びっけ

あんみつさん、nice!&コメントありがとうございます。
>表情だけの演技ですよね。。。これで観客の心掴むのだから凄いですよね
本当に、チャップリンの目の演技、表情の演技は絶品ですよね!
彼の映画は決してハッピー・エンドではないのだけれど、何度でも観たくなる理由の一つがそこにあると思います。
by びっけ (2007-10-08 19:55) 

びっけ

ユウさん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2007-10-08 22:21) 

チヨロギ

記事を読んでいたら映画を思い出して、切なくなってしまいました。
サイレントでもモノクロでも、こんなに豊かな感情や情景が描き出せるんですよね。
最新の映像技術と引き換えに、人間は“想像する”という大切な能力を失っていくような気がしてなりません。
by チヨロギ (2007-10-09 00:37) 

びっけ

チヨロギさん、nice!&コメントありがとうございます。
>“想像する”という大切な能力
本当にそうですね。
色や音が足りないからこそ、想像力で補ったり、推理したりして、本質が見えてくるのかもしれません。

色や音が素晴らしい映画で心に残るものもありますが、
最近は、その時はスゴイ! ファンタスティック!と思っても、あとでちっとも思い出せないという映画がやや多いような気もします。
by びっけ (2007-10-09 20:23) 

せり

こんばんは。
ご無沙汰しております。常にご無沙汰しててすみません…(T_T)
この映画大好きでした。
私も授業で見たような気がします。
当時はチャップリンってコメディアンのイメージがあったので、
まさかこんなに切ない物語を、しかも言葉少なく表現できるなんて。
言葉だけじゃないんですね。

>あとで思い出せないという映画がやや多い
そういわれてみればそうかもしれません。
シンプルなメッセージの方が心に残るものなのでしょうか。
by せり (2007-10-15 22:30) 

びっけ

せりさん、nice!&コメントありがとうございます。
わーっ! お久しぶりです!!
お元気でいらっしゃいましたか?

>私も授業で見たような気がします。
最近の授業は、楽しそうでいいなぁ・・・。
>言葉だけじゃないんですね。
そうですね。
言葉で伝えないと伝わらないこともあるけれど、
かえって‘言葉’があると、それに惑わされて本当の気持ちが見えなくなることもあるような気がします。
ブログは言葉中心なので、言葉をよく考えて使わなくてはいけないなぁと、あらためて思っています。
by びっけ (2007-10-16 20:22) 

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