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『海街diary』まえだまえだの弟くん [映画]

ひと月以上前ですが
是枝監督の映画『海街diary』を夫と観てきました。

えっ? 中高年男性向けの映画じゃないでしょうって?
確かに夫は原作のコミックにも興味ゼロだし、特に綾瀬はるかさんや長澤まさみさんのファンというわけでもありません。
でも、「観に行く?」と誘ったら、観る気満々!で同行してくれました。
おかげで夫婦50割引きで観れて、お得でした。(笑)

夫がこの映画を観たがったわけは・・・
実は主人公四姉妹の家として使われたお宅が、夫の実家のご近所さんなのです!

原作では、彼女たちの家があるのは江ノ電の極楽寺駅のそば。
映画でも、そういう設定でしたが、ロケに使われたのは北鎌倉だったんですねぇ。

義母は、ロケに使われたお宅の奥様から「映画に使われるの」ということはだいぶ前から聞いていたそうです。
しかし、義母の
「映画のロケなんですって」
「女の子四人の話なんですって」
「何だか外国の映画で賞を取った監督らしいのよ」
というポツリポツリともれ聞く情報から
あの是枝監督の映画「海街diary」の映画ロケ!と、すぐに思い浮かばなかった私は、まだまだです。
(ひょっとして「海街diary」?)と思い至った時にはロケは終了していました。

さて、夫の映画鑑賞後の感想ですが、お察しのとおり
(おぉっ! これは家の近くのあの通りではないか!)
とか
(そうか、あの家の庭はこんな風になっていたのか)
と四姉妹の「家」に特化したものばかりでありました。苦笑。

ちなみに義母に(喜ぶかな?)と思って原作コミックを貸し出したのですが
「私、漫画の読み方ってわからないわぁ」
と、すぐに戻されました。orz

まぁ、確かに大正生まれの90代の義母には漫画の読み方(右上から左下にかけて読む、擬音語が字で書かれている)は難しかったようです。

映画は原作コミックをうまくまとめていたなぁと思います。
あくまで主人公は四女のすずちゃんで、そこに焦点を絞っていたところが良かったと思います。

で、今回のブログの記事タイトルの件!

すず(広瀬すず)ちゃんの所属するサッカーチーム湘南オクトパスの一員、風太として出演していたのが、まえだまえだの弟(前田旺志郎)くんでした!

コミックの風太のイメージとは違っていたけれど、明るくて恋愛ずれしていない普通の中学生の感じをうまく表現していたと思います。
ちょっと見、ヨーロッパで活躍中の香川選手に似ていて、サッカー少年らしさも出ていたかなぁという気がします。

鎌倉の四季も美しく描かれていて、山形の温泉街の雰囲気も懐かしい感じで、夫婦で観るにはいい映画でした。

あちゃ! メイキング映像を見たら、山形でなくて岩手や栃木で撮ってたのね。
(^^;

https://youtu.be/fBOK9x0d73U


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タグ:映画 2010年代
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『奇跡』のまえだまえだ [映画]

北陸新幹線が開通して、次のNHK朝ドラも輪島が舞台で、北陸地方の賑わいと勢いを感じるこの頃です。

それに比べて、九州新幹線の開通時は東日本大震災直後だったのでお祝いムードじゃなかったですね。
当時、JR九州のCMをネットで見ながら無性に泣けたのを思い出します。

http://youtu.be/UNbJzCFgjnU

この九州新幹線の開通時、福岡からの一番列車と鹿児島からの一番列車がすれ違う場所で願い事をすると奇跡が起こる!
そういう噂を信じた小学生兄弟がクラスメートを巻き込んで、その場所に向かう…是枝裕和監督作品の「奇跡」です。

主演はお笑いのまえだまえだ、二人とも小学生です。
両親(オダギリジョー、大塚寧々)が離婚して
兄の航一(前田航基)は鹿児島で母親と祖父母と暮らし、弟の龍之介(前田旺志郎)は福岡で父と暮らしています。

兄は弟とマメに連絡をとっています。そして、
父ちゃんと母ちゃんを仲直りさせて、また親子四人で暮らすんだ!
そのためにも父ちゃんが他の女の人と仲良くならんように、ちゃんと見張っとれ!
と弟に檄を飛ばします。

今は二人とも九州に住んでるけれど、離婚前は大阪に住んでいたのでバリバリ関西弁です。お笑いコンビのまえだまえだを起用したがための苦肉の策でしょうね。笑。

兄はクラスメートから一番列車の奇跡の話を聞いて、家族再建の願いをかけてみようと決心します。
兄のクラスメート二人と弟のクラスメート三人も加わり、総計七人の子どもだけの小さな冒険です。

子どもたちだけで親に黙って外泊なんて、親が超焦りそうなものなのに、そこはそれ、亀の甲より年の功、いや橋爪功の功か? 暖かく見守るスタンスになります。

しっかり者でリーダー役の兄もいいけれど、お調子者で天真爛漫な弟が最高です。

で、肝心の奇跡は起こるのか!?

子どもたちは確実に成長したと思う。
そして、彼らに関わった大人たちにも、ちょっとした前向きな気持ちが芽生えたと思う、そんな観終わった後、心がほんわりする映画でした。

脇を橋爪功、樹木希林、原田芳雄、長澤まさみ、阿部寛などが固めています。

http://youtu.be/OMGI3UxCFS8

これはオダギリジョー目当てで観た映画なのですが、オダジョーは案外普通の、ミュージシャンになる夢を捨てきれないお父さん役で、(オダジョーがお父さん!)という違和感は感じさせませんでした。
ジョーは振り幅が広いというか、いろんな役を演じてくれるから作品を追っ掛けていても楽しいです。



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『ソウル・キッチン』 [映画]

昼間の蝉の声が少しおとなしくなってきて、逆に夜の虫の声がボリュームアップしてきたかなと思うこの頃、食欲もアップしてきたような気がします。

ということで、食堂が舞台のドイツ映画です。
『ソウル・キッチン』、2009 年、ファティ・アキン監督作品。

主人公ジノス(アダム・ボウスドウコス)はちょっとポッチャリ系で長髪の料理人。
ソウル・キッチンという食堂のオーナーシェフですが、うーん、どうだろう、料理は上手じゃないみたい。
(適当に食ってろ、安くて量が多けりゃいいだろ)という感じで冷凍食品を使った料理を出しています。
それでも、そこそこお客は入っていたけれど、恋人が上海に行ってしまうあたりから不運に見舞われ始めます。

ギックリ腰で料理が作れなくなってしまうわ
保健所からは施設の不備を指摘されるわ
滞納している税金の督促はされるわ
隣に勝手に住んでるじいさんはただ飯食いするわ
さらに仮出所中のギャンブル好きの兄貴は転がり込んでくるわ・・・
降りかかるピンチの数々を、どうやって起死回生する? ジノス!

決してへこたれず、自分の城ソウル・キッチンを守り抜こうとする主人公のバイタリティと機転の良さと要領の良さが爽快な映画です。

ドイツ映画だそうですが、ジノス兄弟はギリシア移民という設定なのでドイツドイツしていないゆる~い感じがいいです。





ソウル・キッチン.jpg

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『プロヴァンスの贈りもの』 [映画]

先週でしたか、ボジョレー・ヌーボー解禁で賑わっていたようですが、そう言えば、ワイナリーを相続した男性の映画がありましたね。

『プロヴァンスの贈りもの』、2006 年、リドリー・スコット監督作品です。



プロヴァンスの贈りもの.jpg

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いやさ、主演がラッセル・クロウというのは、ちょっと趣味に合わないのだけれど
彼がロンドンでバリバリ活躍しているトレーダーというのもピンと来ないのだけれど
相続した館のプール(シーズンオフで水は入っていなかった)に落ちて登れない・・・というのも何だかなぁだけれど

でも、プロヴァンス地方の木々の色鮮やかさや、プロヴァンス地方の人々ののんびりした暮らしぶりとかに心が和む映画です。

とりあえず、美味しいワイン片手に、秋の夜長に観るのには良いと思う映画であります。

amazon で検索したら、こんなんが出ました。
ラベルが華やかで、いかにも新酒のお祝いと言う感じがします。



ボジョレーヌーヴォー.jpg

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『真珠の耳飾りの少女』 隠された髪 [映画]

画家フェルメールの代表作「真珠の耳飾りの少女」
あれっ? 前は「青いターバンの少女」っていわなかった?

そんな?もありつつ観た映画『真珠の耳飾りの少女』は 2003 年、ピーター・ウェーバー監督作品です。



真珠の耳飾りの少女.jpg

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この絵画のモデルの少女が誰なのかは一切が謎に包まれているそうですが、この映画ではフェルメールの家で住み込みで働いていた使用人(召使い?女中?メイド?!)がモデルだったというストーリーになっています。

少女グリートを演じるのはスカーレット・ヨハンソン。
最近、テレビでよく CM を見かける映画『アベンジャーズ』で赤毛のブラック・ウィドウを演じている女優です。

フェルメールの絵と比べると、スカーレット・ヨハンソンは決して似ているとは思えないのだけれど、映画を観ているうちに、どんどん、(あぁ!あの絵の少女にそっくりだわ!)と思えてくるから不思議です。

スカーレット・ヨハンソン(アベンジャーズ).jpg   スカーレット・ヨハンソン(真珠の首飾りの少女).jpg



最初は、グリートがいかにも小娘でおどおどしていると思えたのですが
先輩の女中と一緒に肉屋で買い物するシーンで見方が変わりました。
肉屋に古い肉をわたされたグリートが、すかさず
「この肉は傷んでいるわ。これじゃ、奥さまはお気に召さない」
と、はっきりと NO を言うあたり、この小娘、なかなかどうして芯がしっかりしている、と印象付けられたのです。

だから、それ以降、フェルメール夫人やその子どもに意地悪をされたり、フェルメールのパトロンに言い寄られても、グリートなら大丈夫、切り抜けられる・・・と安心して見続けることができました。

この映画には、なかなか官能的なシーンが三つあります。

一つは、真珠の耳飾りをつけるためにピアスの穴をあけるシーン。
フェルメールがグリートの耳たぶに針を突き刺して、グリートが涙をこぼすシーンは、なんだか意味深ですわ。(^^;

二つ目は、唇にツヤを出させるために、フェルメールがグリートに「唇を舐めなさい」と繰り返し指示するシーン。
二度くらいならともかく、四度も指示するなんて、なんだか しつこすぎますわ。
天ぷらでも食べさせてあげれば、いっぺんで済みますのに。(笑)

三つ目は、青いターバンを巻くために、グリートがいつものかぶりものを取った瞬間、彼女の髪があらわになるシーン。
私はこのシーンに、一番ゾクッとしました。
背中ぐらいまである豊かな赤い髪!
決して見ないで下さいと、鶴の恩返しのように頼むのに、戸口から見てしまうフェルメール。
彼の目は、まさに釘付け状態でした。

ひょっとしてひょっとすると、フェルメールは、その豊かな髪をたらした少女も描きたかったんじゃないかしら?


フェルメールを演じているのはコリン・ファース。
彼は『英国王のスピーチ』でアカデミー主演男優賞を受賞しているそうですが、そちらは未見。
唯一、私が観た彼の出演作は『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうな私の十二ヶ月』です。
なので、ちょっとギャップがあって驚きました。(^^;

この映画のフェルメールさん、寡黙ですが目つきが鋭い!
内側まで透視するかのような、人を人としてより美の対象としてしか見ないというか、いかにも芸術家の目をしています。

映画の結末は、あっけなくて物足りなかったので原作も読んでみました。



真珠の首飾りの少女.jpg

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あぁ、原作を読んで正解!
映画では、どうしてオープニングで、グリートが切った野菜を綺麗に並べているのかわかりませんでした。
でも、原作を読んで、グリートが色に対する優れた美的センスを持っていて、それを見抜いたフェルメールが彼女を使用人にすることを決めたということがわかりました。

映画の最後でグリートのもとに届けられた真珠の耳飾りも、映画では理由がよくわからなかったけれど
本を読んだら、亡くなったフェルメールの遺書に、グリートに真珠の耳飾りを贈ると書かれていたからだとわかりました。

その真珠をすぐに売り払って、家計の足しにしつつ、自分のへそくりにもするグリート!
グリートのしたたかで強いところ、大好きです!(笑)


さて、まったく別物ですが、こんな表紙の本があります。
『キャット・アート-名画に描かれた猫』

表紙が、まさにこの『真珠の耳飾りの少女』!
猫耳にちゃんと真珠のピアスをしているところが笑えます。



キャット・アート.jpg

キャット・アート―名画に描かれた猫

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  •  単行本

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『僕の村は戦場だった』タルコフスキー監督 [映画]

もう何十年も前に一度観たきりですが、忘れられない強烈な記憶として残っている映画です。
アンドレイ・タルコフスキー監督の 1962 年の作品、『僕の村は戦場だった』



僕の村は戦場だった.jpg

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12 歳のイワン(コーリヤ・ブルリヤーエフ)は、ソビエトのある村で両親と妹と暮していました。
しかし、ドイツ軍の侵攻により、父は戦死、母と妹とは生き別れ、ひとりぼっちになってしまいます。

周りの大人(ソ連軍兵士)たちは、イワン少年を幼年学校に行かせようとするのですが、「ドイツ軍憎し」の想いが強いイワンは、あえて少年斥候の道を選びます。

仲良くなった老兵の死も知らず、ドイツ軍の陣中に斥候として潜り込んでいくイワン・・・

やがて戦争が終わり、生き残ったソ連軍兵士は、あるファイルの中にイワンの写真を見つけます。
それは処刑されたソ連軍捕虜のファイルでした。


モノクロで美しい映像。光と影が美しい。
でも、一番すごいと思うのは主役の少年の目。
子どもなのに、子どもじゃない。
鋭くて、人生の哀切を悟りきってしまったような目。

思い出のシーンで、母や妹と一緒に暮していたころの、明るくて優しい表情とあまりに違っていて、そのギャップに愕然とします。


戦争という悲劇が彼から子どもの表情を奪った・・・ということが伝わってくるは素晴らしいのですが、実際は、子役の子がどうやって、あんな表情ができたのか、そこが不思議です、謎です、怖いです。


映画『僕の村は戦場だった』の映像に、デヴィッド・シルヴィアンの『The Boy with The Gun 』をのせたものがありました。

『The Boy with The Gun 』は、こちらに収録されています。



Secrets of the Beehive.jpg

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『僕と妻の1778の物語』 [映画]

今日は母の日ですね。
息子(&夫)からカーネーションの花束をプレゼントされました。
ありがとう!

ところで、子どものいる夫婦には ありがちなことなのでしょうが、夫は家で私を呼ぶときに「ママ」と呼びます。
飽きもせず毎回繰り返される会話は こうです。

夫「ねぇ、ママ。あのさ・・・」
私「私は、あなたのママじゃない!」
夫「あっ、そうそう。じゃぁ、お母さん」
私「私は、あなたのお母さんでもない!」
夫「えーと、それじゃぁ、びっけクン!」
私「(その呼び方も気にいらないけれど、しぶしぶ)なーに?」

知人の家でも「ママぁ~」「私は、あなたのママじゃありません!」という会話が日常茶飯事だということを聞きました。
日本国中あちらこちらで、この手の会話が行われているのでしょうねぇ。苦笑。

ちなみに、私が夫のことを家で何と呼んでいるかというと・・・
彼の名前から「ひろちゃん」と呼んでいます。
50 過ぎのおじさんをつかまえて「ひろちゃん」も どうかなぁと思いつつ、
さらには、時々ケロケロケロッピをもじって「ひろっぴ」とも呼んでいます。
いえいえ、夫をおちょくっているわけではありません・・・・・・おそらく、たぶん。(笑)

子どものいない夫婦では、お互いのことを名前(愛称)で呼ぶことが多いのでしょうね。

この映画もそうでした。
お互いに「せっちゃん」「サク」と呼び合っていました。
『僕と妻の1778の物語』、2010年星護監督作品です。



僕と妻の1778の物語.jpg



SF 作家の眉村卓氏が、ガンになって闘病生活を続ける妻の悦子さんに毎日一編のショートショートを書き続けた実話の映画化です。

映画では、主人公は牧村朔太郎(草なぎ剛)、妻は節子(竹内結子)となっています。
ガン患者の免疫力を高めるためには笑うことが効果的・・・そう知ったサク(朔太郎)が、愛妻せっちゃんのために毎日毎日、短い SF 作品を書いていきます。

二人が暮している昭和レトロの平屋の家がいい感じです。
SF 作家のサクが持っているブリキのおもちゃのロボットとか、小物にも何となく心が和みます。
サクが書くショートショートを映像化したシーンは不思議で夢があります。

友人(谷原章介・吉瀬美智子)が何度かサク夫婦の家に遊びに来ます。
最初の頃は、せっちゃんも一緒ににぎやかに飲み食いしていたのですが、時間の経過とともに、せっちゃんの病状は進行していき、友人夫婦には子どもが生まれ・・・
せっちゃんが自分の好きな絵本を友人の生まれてくる子どもへあげる場面、少しでも元気なうちに遺品整理をしておこうと、形見分けする場面には胸がつまりました。

死期間近となったせっちゃんは痛み止めのモルヒネのために意識朦朧の状態が続くようになり、彼女が少しでも目を覚ましたときには側にいてあげたいと、付きっきりで寄り添うサクは次第に憔悴していきます。
目が落ち窪み、もうろうとしているサクを演じる草なぎくんの演技には鬼気迫るものがありました。

もし私が病気になって看取られる立場だったら
 そんなにボロボロにならないで。ちゃんと眠って。
 私は静かに逝くけれど、だいじょうぶだから。
って、夫には言っておきたいなぁ。


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『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』 [映画]

先日、かつて勤めていた会社の上司二名が定年を迎えるというので、お祝いの会があり出席しました。
かつての上司、かつての先輩、かつての同僚、かつての後輩・・・懐かしい顔ぶれに、勤めていた頃にタイムスリップしたような錯覚を覚えました。
男性陣・・・さすがに、頭髪の差はさまざまでしたが・・・(^^;

私が二十年前に勤めていたのはソフトウエア開発の会社です。

女だったので、さすがに徹夜残業はありませんでしたが、男性の同僚は徹夜で残業することも たびたびありました。
なので、この映画は
(あぁ、そうそう!)
と、何だか身につまされるところがたくさんありました。

『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』、2009 年、佐藤祐市監督作品です。



ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない.jpg

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主人公(小池徹平)の名前は「真男(まさお)」なのだけれど、社長が天然なのか「まおとこクン」と呼ぶものだから、それが呼び名兼ハンドルネーム(マ男)になってます。

マ男くんは、高校中退、ニート歴数年、独学で情報処理技術者の資格を取ったものの、なかなか就職が決まりません。

でも、やっと採用してくれた会社がありました!
優しそうな社長(森本レオ)、ハキハキしているリーダー阿部(品川裕)、ガンダム命の井出さん(池田鉄洋)、おどおどしている上原さん(中村靖日)などなど、個性豊かなメンバーが揃っています。

やっと僕も社会人としてやっていける!
と思ったのもつかの間・・・実は、その会社は労働基準法遵守なんてありえない、社員をソルジャーとして働かせるブラック会社だったのです!!!

ただ、これはコメディ要素が多い映画だから、労働条件だけなら間違いなくブラック会社だけれど、人間関係としてはブラックではないよなぁと思いながら観ました。
確かにリーダーは横暴だし、井出さんはリーダーの腰ぎんちゃくで実力も無いウザい人だし、中卒ということが ばれて白い目で見られたりもしたけれど、でも、主人公に共感を示し、支え、救ってくれる藤田さん(田辺誠一)がいました。

どこの職場にも藤田さんのような人がいてくれれば、みんな、マ男くんのように何とかやっていけるのになぁ。

「一職場に一人、藤田さん計画!」・・・って期待するのではなくて、自分が藤田さんに なればいいのかしら?




私が かつて勤めていた会社は、男性社員は忙しい時に徹夜残業がありましたが、後日、代休をちゃんと取らされてました。
ブラック会社ではありません! 念のため。

あっ! でも、先日の会で、先輩が
「昔は、一つのプロジェクトが終わると残業代で新車を買ってたよなぁ」
と昔を懐かしんでいました。
そう言えば、男子は、残業、月 150 時間とか、200 時間とか自慢しあっていたなぁ。
そんな時代でした。


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『スラムドッグ$ミリオネア』四択は得意? [映画]

おしくらまんじゅう・・・どうして、こういう名前がついたのでしょう?

前回の記事に ALBERT さんが付けてくださったコメントです。
 クラッとくるから・・・
クラッとせずにクスッと笑わせていただきました。
ALBERT さん、nice!なコメントをありがとう!(^^)v

さて、おしくらまんじゅうの語源・・・「クイズ・ミリオネア」なら
A : 中国語由来
B : 押して競うという意味
C : クラッとするから
D : 蔵のそばでやる遊びだったから

といった四択になったかもしれませんね。

テレビの「クイズ・ミリオネア」は、司会者の油さ加減が苦手で見ていなかったのですが(同様の理由で「ケンミン・ショー」も見ない・・・笑)
この映画は観ました!

『スラムドッグ$ミリオネア』、2008 年、ダニー・ボイル監督作品です。



スラムドッグ$ミリオネア.jpg

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主人公ジャマールの数奇な人生が、クイズ番組「ミリオネア」の出題問題に ことごとくリンクしていた!
なので、彼は全ての正解を言い当てることができた!

しみじみ考えれば、主人公達の境遇は哀しくて辛いものなのだけれど、インドの極彩色の中でスピーディに展開していく映画だったので、すっかり引き込まれて観てしまいました。


明日はセンター試験ですね。
ミリオネアの四択と大学入試試験を比べることはできませんが
でも、思うんですよね。

ジャマールは教育機関で高度な教育を受けてはいないけれど、社会という大きな学校で「生きる力」というのをしっかり身に付けたんだと。
だから、「ミリオネア」で勝ち続けられたし、不正を疑われても乗り越えられたし、最後はインド映画っぽく彼女と踊れたんだな・・・と。(笑)

「知識」より「知恵」が、最後には物を言うのかなぁ。

こちらが原作の『ぼくと1ルピーの神様』
主人公ラム・ムハンマド・トーマス(映画は名前を変えてる!)が好きになった彼女は、映画よりもっと悲惨な境遇にいるし、主人公の育ての親の神父の後任者がとんでもない奴だったりするのですが、ジメッと陰惨という感じではなく、哀しいけれどカラリとした内容で読み応えがありました。



ぼくと1ルピーの神様.jpg

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  •   19×14cm 384p

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『イルマーレ』のサンドラ・ブロックとキアヌ・リーヴス [映画]

マフラーと言えば、その巻き方も時代と共に随分変わってきたなぁと思います。

私が小・中学生の頃は、片側で前と後ろに垂らしてました。
その後、半分のところを輪にしてそこに残りを通してみたり・・・
冬ソナのヨンさま巻きという、グチャグチャ暑苦しい巻き方もありましたねぇ・・・
最近では、両端を前に垂らすのが一般的なようで、私もそんな風に巻いていますが、正直、ちょっと違和感ありです。(^^;

さて、ヨン様と言えば韓流。
韓流のドラマや映画や音楽・・・実はほとんど知りません。(^^;
なので、この映画も、オリジナルの韓国映画は観てません。
ハリウッドがリメイクした『イルマーレ』だけ観てます。
2006 年、アルハンドロ・アグレスティ監督作品です。



イルマーレ.jpg

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タイムトラベル物なので、(えっ?)(はっ?)(あれっ?)と疑問符がいろいろ出てくるストーリーではありますが、そこはスルッとスルーして、サンドラ・ブロック姐さんとキアヌ・リーヴス君の『スピード』コンビの恋模様を楽しみたい映画です。

キアヌがサンドラのために苗木を植えて、その木がサンドラの時代ではもう大木になっているところとか、犬の足跡だけが点々と浮かぶところとか、そういう小さなエピソードも好き!

あぁ、それにしても、この二人は、見たことも会ったこともない人を好きになって、実際に会ってみたら(えっ~!!)とショックを受けるということは考えなかったのだろうか?
手紙だけで人柄って十分に伝わるものなのだろうか?

そんなことが気になってしまうようでは、恋はできませんわね。(^^;


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