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『月読-自選作品集』山岸凉子 [マンガ]

伊勢神宮には正宮、別宮いくつもの神社があります。
今回の旅行では外宮と内宮にお参りしました。

伊勢神宮は結構歩くよ・・・と聞いていましたが、距離的には辛くありませんでした。
ただし、道が玉砂利なので足裏ツボ押しをされているような刺激がボディブローのように効いてきたのは きつかったです。

そんなこともあって、パワースポットと聞いていたけれど、お参りするのを見送ったのが別宮の月夜見宮(つきよみのみや)。
月夜見宮に祭られているのは天照大御神の弟、月夜見命(つきよみのみこと)です。
伊勢神宮の公式 HP では月夜見という漢字で統一されているけれど『古事記』では月讀命(つくよみ)と表記されてもいます。
山岸凉子の『月読』というマンガでも、表記は月読(つくよみ)とされていて、私はこの月を読むという漢字のほうが、何となく月を司る神というイメージがして好きです。

さて、マンガの『月読』で描かれるのは三姉弟の葛藤です。
太陽の神様でもある天照大御神は豊満で肉感的な熟女として描かれています。
二人の弟、月読と須佐之男は対照的なキャラクターで
月の神、月読が繊細で内気で細面でイケメンに描かれているのに対し
風の神、須佐之男は豪快で乱暴で単純でマッチョに描かれています。

豊満熟女の天照ねえさんが、どちらの弟と気が合うかと言えば、豪放闊達な体育会系の須佐之男のほうなわけで、文系の月読くんの姉さん恋しの想いは空回りするばかりです。

まぁ、もとより、太陽と月ですから合わないのも道理であり、月読の自意識過剰な感じは、私もちょっと面倒くさくて勘弁かな・・・と思います。
表紙に描かれている悩める月読くんの表情は、なまめかしくてちょっぴりゾクっとするんだけれどね。

それにしても、『古事記』の登場人物たちをドロドロの愛憎ドラマとして描き出す山岸凉子の想像力には舌を巻きます。
それまで抱いていた清楚で品のある天照大御神のイメージが、この作品でガラガラと音立てて崩れました。(笑)

この作品集には、この他にも古事記題材の作品『天沼矛』や時代を現代に移し変えた『木花佐久夜毘姫』などが収録されています。
古事記にも出てくる蛭子を題材にした『蛭子』はモダンホラー風で苦手。
マンイーターの女の子の話です。(>_<)

amazon では『天沼矛』の途中までチラ見できます。


月読.jpg

月読―自選作品集 (文春文庫―ビジュアル版)

  •  山岸凉子
  •  文藝春秋
  •  1996/08
  •  文庫

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「ヒマラヤの鶴」吉田秋生 [マンガ]

お正月に NHK でエベレスト登山のドキュメンタリー「エベレスト~世界最高峰を撮る」を見ました。

まさに命懸け!
酸素が薄い中、氷の急な斜面を重い機材をかついで登っていくなんて、修行僧も真っ青の苦行!

山頂からグルリ 360 度を撮影した映像は、空が透き通っていて本当に綺麗。
エベレストを含むヒマラヤ山脈・・・あの上を渡っていく鶴の話をふと思い出しました。
吉田秋生のマンガ『海街 diary 4 帰れないふたり』に収録されている「ヒマラヤの鶴」です。



帰れないふたり.jpg

海街diary 4 (flowers コミックス)

  •  吉田秋生
  •  小学館
  •  2011/08/10
  •  コミック


8000m 級のヒマラヤ山頂の上空を飛んで、チベット高原からインドへと渡っていくアネハヅル。
主人公すずのお姉さんが勤めているスポーツショップの店長には、かつてエベレスト登頂に挑み、失敗した過去がありました。

親しくなったシェルパから「ツルが飛んでいないから やめろ」と忠告されたのに、店長とパートナーは最終キャンプに向います。
しかし、すぐに天気が崩れ、山頂にも登れず下山もできず、ビバーク(緊急的野営)することになってしまいます。

もう これでおしまいか・・・とあきらめかけた三日目の朝、ようやく天気が回復し、見上げた空には・・・
青い群青の空の中に白く光る点々が!
・・・それはツルの群れでした。

ツルが渡るときは好天が続く!
シェルパの言葉を思い出した店長は(今しかない!)と決意して必死の覚悟で下山を始めます。
そして、体力ギリギリのところで、下から救助に来てくれたサポート隊に会うことができたのです。

そのサポート隊には、例の親しいシェルパもいて、彼が
「ハマダが生きていたら、きっとツルを見て降りてくる」
と主張して、救助隊が登ってくることになったのでした。

この話を店長は、すずのチームメイト多田裕也に話します。

裕也は、サッカーチーム湘南オクトパスのジュニアユースでエースキッカー。
足の病気で膝下を切断し、今は義足でプレーしています。
しかし、成長期のこと、ようやく足になじんできた義足を作り変えることになり、また一からやり直し・・・しかも、これから何度もそうなる可能性がある・・・と知った裕也は、学校に登校せず、いなくなってしまうのです。

心配して探し回るチームメイトたちから、次々と送られてくるメール。
裕也にすれば、気持ちはありがたいけれど、正直、ウザくなって・・・。

そんな彼の気持ちに寄り添って、店長が話すのが「ヒマラヤの鶴」の話なのです。
あのシェルパだって、すぐにでも救助に向かいたいと思っていた・・・でも、どうにもできないこともわかっていた。
それでも、じっとしていられなくて、何度も何度も山頂を見上げ、ツルが見えないかと目をこらしていた。
店長は、後から、他の仲間にそう聞いたそうです。

店長は裕也に言います。

 風太たちだって
 自分たちが
 どうすることも できないことは
 わかってるんだ

 それでも
 じっとして いられない

 ・・・それで十分なんじゃないの?


震災後のあれこれを思う今年の正月は、この店長の言葉が頭から離れません。

◆ 関連過去記事 ◆

 『海街 diary 1 蝉時雨のやむ頃』吉田秋生
 『海街 diary 2 真昼の月』吉田秋生


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『グーグーだって猫である 6 』大島弓子 [マンガ]

大島弓子作品の中では、擬人化した猫が主人公の『綿の国星』シリーズが好きです。
猫を猫の姿のままに描いたノンフィクション・マンガ『グーグーだって猫である』シリーズは、お気に入り度がやや低いマンガでした。

でも・・・この『グーグーだって猫である 6 』には泣けました。
最後の数ページで泣けました。



グーグーだって猫である6.jpg

グーグーだって猫である6

  •  大島弓子
  •  角川書店(角川グループパブリッシング)
  •  2011/09/23
  •  単行本


愛猫サバ亡き後、失意の日々を暮していた大島さんが、アメリカンショートヘアの子猫グーグーと出会い、そのうち野良猫を拾うようになり・・・・・・
あれよ、あれよという間に「ねこおばさん」化していく大島さんのようすに、内心かなり引いたのですが(^^;
自分も猫を飼い始め、少しは猫好きの気持ちがわかるようになって、それでも、かなり引いたのですが(^^;
私以上に夫が、このシリーズのファンなので購入し続け読んでいました。

しかし、とうとう、この第六巻で『グーグーだって猫である』シリーズも終了だそうです。
タイトルにもなっている猫、グーグーが 15 年 8 ヶ月の生を終えて、息を引き取ったからです。

グーグーの出てくるシーンが どんどん減ってきていた「グー猫」シリーズですが、この第六巻でも、グーグーの出番は少ないです。(^^;
野良猫たちの出産と子育てと保護と避妊手術の話がほとんどです。
あまりに登場する猫の数が多くて、どの猫がどのエピソードの猫か、ごっちゃになりながら読み進み・・・。
最後の最後、グーグーの臨終のくだりを読んで泣いてしまいました。

弱ってきてからのグーグーは、弱った体で やっとのこと大島さんのベッドに上がり、大島さんのそばで眠っていたそうです。(表紙の絵が、それ)
そして、最後の日は、大島さんの指をグーグーの肉球にあてると、握り返して・・・やがて永遠の眠りについたそうです。

グーグー、大島先生を見守ってくれてありがとう!
グーグー、大島先生にマンガを描かせてくれてありがとう!


まだまだ考えたくは無いけれど、やがて我が家の愛猫たちとも別れの日は来るわけで
その時は、大島さんのように私たち家族も愛猫を看取ってあげたいと思いました。


数年前に出版された『オオシマさんちのもうひとつの猫日記』は、大島さんが撮影したグーグーたちのフォトブックです。
マンガに描かれているよりも、もっと精悍で お利口そうでキリッとした青年猫のグーグーが写っています。(amazon のこちらで試し読みができ、グーグーの写真も見れます)



オオシマさんちのもうひとつの猫日記

オオシマさんちのもうひとつの猫日記

  •  大島弓子
  •  飛鳥新社
  •  2007/10
  •  単行本


◆関連過去記事

 『グーグーだって猫である』大島弓子


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『すーちゃん』益田ミリ [マンガ]

高校時代の友人は、私に お気に入りのコミック本をよく薦めてくれました。
私一人だったら、たぶん、読み飛ばしたり、気がつかなかったり、手に取らなかっただろうマンガたち・・・
『イブの息子たち』や『はみだしっ子』や『エロイカより愛をこめて』

大人になってからは、ネットでのお付き合いでは ともかく、リアル生活で人からマンガを薦められることはありませんでした。

ところが、今年になって、薦められたのです、マンガを!
一つは『聖☆おにいさん』・・・うん!面白かった!(^^)v
そして、もう一つが、この『すーちゃん』です。



すーちゃん.jpg

すーちゃん (幻冬舎文庫 ま 10-2)

  •  益田ミリ
  •  幻冬舎
  •  2009/08
  •  文庫


主人公のすーちゃんは 30 代の独身女性。
職場はカフェ。責任ある仕事をまかされ、毎日、真面目に働いています。
でも、(いいなぁ)と思った男性は、職場の同僚の女の子と仲良くなっていくし
友達のまいちゃんと お茶したり、食事して、愚痴ってみても、何となく気が晴れないし・・・。
全編を通して、(疲れたぁ)と ため息をついて、ちゃぶ台に突っ伏すシーンばかりのマンガです。(^^;

決して、勇気や やる気をもらえるマンガではありません。
どちらかというと暗い。(笑)
(すーちゃん! そんなにクヨクヨしないで、明るく考えていこうよ!)
と背中を叩いてあげたくなると同時に、すーちゃんの寂しさや孤独や悩みや迷いに、なんとなく共感できるマンガでした。

(こういう気持ちになることってあるよねぇ)
(何とかしたいのだけれど、灯りが見えない感じ)
(他人の言動に過剰反応しちゃったり・・・)

人から薦められて知ったものって、自分の感性では探しきれないものだったりするから、世界が広がって面白いです。

◆ 関連過去記事 ◆

 『聖☆おにいさん』中村光


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『海街 diary 2 真昼の月』吉田秋生 [マンガ]

なでしこ JAPAN 世界一、おめでとう!

技術的なことは、まったくわからないけれど、とにかく、あの精神力には大感動しました!
あきらめない心、折れない心、前向きな心。
自分がこれまでやってきたことへの自信。
チームメイトや監督、スタッフ、家族との信頼と絆。

人が生きていくうえで大切なことを しっかり見せてくれたような気がします。


吉田秋生のマンガ『海街 diary 』シリーズは三人姉妹と異母妹が一緒に暮していく話です。
こちらは、第二巻の『真昼の月』



海街diary2真昼の月.jpg

海街diary 2 (フラワーコミックス)

  •  吉田秋生
  •  小学館
  •  2008/10/10
  •  コミック


異母妹は中学生で、名前は浅野すず。
すずちゃんは実はサッカー選手として なかなかの才能を持っている女の子。
姉達と一緒に暮らす前は、ジュニア大会の優勝チーム、仙台の青葉 JFC のレギュラーでした。
鎌倉に引っ越してきて、湘南オクトパスという少年サッカーチームのジュニアユース(中学生までは女子も参加可)に入ります。
湘南オクトパスのジュニアユースにいる女子は、すずの他は GK の美帆ちゃんだけ。

すずのポジションは FW 。
小学生の頃は それほどでもなかったけれど、中学生にもなると男子との体力的な差が出てきて、すずは、サッカーを辞めようかと悩んでいます。
でも、チームメイトの男子達は、回りでサポートして、すずの力を生かそうとします。
すずは、自分のために みんなに負担をかけることを渋るのですが・・・。

 別に おまえのためじゃない!
 おれら勝ちてーんだよ!!

 おれらも おまえが 女だから どーのこーの いわねーから
 おまえも女だってこと いいわけにすんな!
 1対1だったら ぜったい勝て!


その一言で迷いから吹っ切れて、すずはサッカーを続けていきます。

なでしこ JAPAN のメンバーも、小・中学生の頃は男子中心のサッカーチームで必死にプレイしてきたんだろうなぁ・・・。

そう言えば、アフロヘアの選手がいましたよね?
今回の W 杯には出場してないのかしら?と思って調べてみたら、怪我のため 2011年 W 杯代表メンバーからは外れたそうです。
残念!
ロンドンオリンピックには出場してほしいなぁ、荒川恵理子選手!



行け!なでしこジャパン.jpg

行け! なでしこジャパン!

  •  荒川恵理子
  •  講談社
  •  2008/07/19
  •  単行本 242p


◆ 関連過去記事 

『海街 diary 1 蝉時雨のやむ頃』吉田秋生


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『猫の街の子』モリエ サトシ [マンガ]

本屋に入ってもコミックは滅多に買わない私が、つい表紙絵の可愛さに惹かれて買ってしまった本です。
モリエ サトシの『猫の街の子』



猫の街の子.jpg

猫の街の子 (花とゆめCOMICS)

  •  モリエ サトシ
  •  白泉社
  •  2011/01/19
  •  コミック



現代の話なのだけれど登場人物は和服を着た人が ほとんど。
というのも、茶屋街が舞台だから・・・。
でも、京都の雰囲気じゃないなぁ・・・これはあれだ、金沢だ!
だって飴屋の屋号が「粟ら屋」だもの・・・と思いながら読んでいったらビンゴ!でした。

そこは、猫の街と言われるくらい、野良猫がたくさん住んでいる街。
住人たちに暖かく見守られ、猫たちは自由きままに暮しています。

その猫のなかに「しろ」という幼い少年も混ざっていました。
でも、「しろ」は猫ではありません。人間の男の子です。
実は、彼を捨てた芸者の母が、かつて、猫をなでていたという記憶から、自分も猫になろう!と決意し、猫の子らしく生きようとしている少年なのです。

今は、飴の粟ら屋さんに引き取られている「しろ」ですが、彼は本気で猫の子になろうと思っているので、着物の上に羽織る上着も猫耳フード付き!
猫のお母さんも ちゃんといます!
木綿香(ゆうか)という和小物を売っているお店で飼っている白猫の「たえ」さんです。

この「たえ」さんという猫が、実にいい!
このマンガに出てくる猫は人間のように喋ったりはしません。
目で表情で仕草で、本当の母親のように「しろ」を慈しんでいるようすが伝わってきて、そこが愁眉なマンガだと思います。

「しろ」の実の母が息子を街に置き去りにした理由は後半にわかるのですが、うーん・・・。
人間の「おかあさん」よりも、猫の「おかあさん=たえさん」のほうが、何倍も深く「しろ」を愛してくれているような気がして、ちょっぴり せつないマンガです。

他に登場する猫・・・にゃんち(街の長老猫)、たびこさん(旅を愛する野良猫)、そのたびこさんの子猫、にゃべべ、にゃおす。

名前も可愛いし、仕草も可愛くて、猫好きには たまらにゃいマンガでしょう!


◆ 黒猫兄弟 ◆

暑いというのに、二匹でゴロゴロしているところです。(^^;

ブログ用仲良く寝転ぶ二匹.JPG

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『バナナブレッドのプディング』大島弓子 [マンガ]

大島弓子のマンガは数あれど、その中でも特に強い衝撃を受けた作品がこれです。
高校生の頃に読んだ『バナナブレッドのプディング』



バナナブレッドのプディング.jpg

バナナブレッドのプディング (白泉社文庫)

  •  大島弓子
  •  白泉社
  •  1995/09
  •  文庫


主人公は女子高生、三浦衣良(みうら いら)。
転校してきた彼女が新しいクラスメイトに自己紹介する場面から始まります。

 わたしは三浦衣良
 イライラの衣良と申せましょう


彼女は続けます。
どうしてイライラしているかというと、明日、姉が結婚してしまうから・・・

 わたしがインスタントコーヒーになってしまう日でもあるんです
 つまり血液がフリーズドライ化してしまうほど こわい日ということです


衣良は単なるユニークな女の子というのではなくて、子どもの頃の純粋で繊細な心のまま成長してきた女の子でした。

それでも今までは、最大の理解者、お姉さんがそばにいてくれたので良かったのですが、お姉さんが結婚して家を出てしまうことで、ものすごく不安を感じていたのです。

衣良が、どんなふうに子どもの心のままなのかというと・・・
 空き地で ぼうぼうに伸びた草を三つ編みにして遊ぶ
 夜 10 時過ぎに部屋を出られない
 ・・・美しい仮面をかぶった鬼につかまり食べられてしまうから
 庭の外れの薔薇の茂みに一晩中入って、薔薇の言葉を聞く

衣良の両親は、そんな娘を案じ、精神鑑定を受けさせようかと相談しています。

うーん、こういう繊細で今にも壊れそうな女の子の話は苦手かも・・・
と思いつつも連載を読み続けたのは、ひとえに、カッコイイ大学生お兄さんキャラが出てきたからです。(^^;

衣良の親友、御茶屋さえ子の兄、御茶屋峠(姓は御茶屋、名は峠!)
彼は長身痩躯、長い黒髪を一つに結わえ、不特定多数の女子大生に取り巻かれているプレイボーイだけれど、理不尽なことはしない誠実な人でもある。
うーん! すてき!!
単なるミーハーです。(*^^*)


この漫画を読んだ当時は私も高校生だったので、数年後には社会に出て生きていかなければならない・・・という事実に不安を感じていました。
なので、衣良自身はっきりした自覚は無いかもしれないけれど(子どものままでいたい=大人になりたくない、なるのが怖い)と感じていたであろう彼女に自分を重ねて読み
最後は御茶屋峠というイケメンが衣良の心に寄り添ってくれる結末に すごく「救われた!安心した!」観が したのだと思います。

大人になるのは、社会(世間)に出て行くのは怖いけれど、それでもきっと誰かしら、私の味方(心の支え)になってくれる人がいて、それで何とかやっていけるだろう・・・と、少し未来が明るく思えたような気がします。

出会う時期、読む年代を選ぶマンガかもしれない、リアル高校生の時に読めて良かった、と思うマンガです。


このマンガの中で、衣良が作ったバナナブレッドのプディングの味は
 はがしてしまいたい すりきずの
 かさかさ かさぶたの味がした

 かさかさ 枯葉の味もした


と書かれています。

高校時代の友人が、早速バナナブレッドのプディングを作り、私も お相伴させていただきました。
バナナをはさんだホットサンドは好きだけれど、バナナブレッドのプディングは・・・微妙な味わいでした。(^^;

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バレンタインデー 少女マンガ雑誌「りぼん」 幼なじみ [マンガ]

題名も作者も忘れてしまいましたが、掲載雑誌は「りぼん」だったと思うのです。
バレンタインデーがテーマの読みきりマンガを今も覚えています。

主人公の女の子は女子高生。
少女マンガの主人公ですから、可愛いけれど、ちょっぴりドジ子ちゃん。
数学などは超苦手。運動能力も今ひとつ。

彼女は、同じ学校に通う幼なじみの彼(いくちゃん、と呼んでいたような)に片想いしています。
彼は生徒会長?だったなかなぁ・・・学業優秀、スポーツ万能、ルックスもステキ!

そんな彼に渡すバレンタインチョコ・・・でも、彼は女の子にモテモテだから、いっぱいチョコをもらっています。
でも、最後にもらった主人公のチョコに
「あれっ! 今日、バレンタインだった? 嬉しいよ」
と笑いかける彼。

主人公の女の子の
(いくちゃんたら、たくさんチョコをもらっているはずなのに、私のチョコにそう言ってくれるところが優しくて大好き!)
みたいなモノローグで終わるマンガでした。

甘~い! 甘甘です!(笑)
山本優子だったか、大矢ちきだったか、いやいや、違うな、でも作者は誰だったのかなぁ。
学園ラブコメとバレンタインは相性が良い組み合わせでした。


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『聖☆おにいさん』中村光 [マンガ]

いつも二人でいる・・・と言えば、この二人も そうかも。
マンガ『聖☆おにいさん』のブッダとイエス。

「面白いマンガがあるのよ」
と教えてくれたのは、毎週日曜には教会に通っていらっしゃる(たぶん)奥さまです!
「そんな、イエス・キリストをネタにしちゃっているマンガを面白がっていいの?!」
と聞いたところ、
「教会の神父様も面白がってらしたわよ。こまかい聖書ネタが入っているところがツボなのよぉ」
とのことでした。

で、読んでみて・・・・・・
漫画を読んで、声を出して笑ったのは久しぶりです。

今時の青年ルックスのブッダとイエスが、立川のアパートで共同生活している、というお話です。

感動してしまうと、石をパンに、液体をぶどう酒に変えてしまうイエス。
浪費家でブロガーのイエス。

困った状況になると、どこからともなく、ありとあらゆる動物達が集まってくるブッダ。
コツコツお金を貯める、堅実で、どことなく おばさんチックなブッダ。

割とオープンで気さくな感じのイエスと その弟子たちとは対照的に、ブッダの弟子たちは厳格まじめ!というところも面白い!

何より驚いたのは、ブッダとイエスが給料をもらっているというところで、二人合わせて月 26 万円、銀行振込!
天界で頂いていた人々の笑顔、満たされた気持ち・・・これが日本円に換算すると 月 26 万円になるのだそうです。
神様の給料として、安すぎやしませんかね?

読む前は、猫十字社の『黒のもんもん組』や青池保子の『イブの息子たち』のナンセンス・センスには かなうまい・・・と思っていたのですが、どうしてどうして、なかなかに面白いマンガです。

冬らしい表紙の第二巻をご紹介しておきましょう。



聖☆おにいさん2.jpg

聖☆おにいさん (2) (モーニングKC)

  •  中村光
  •  講談社
  •  2008/07/23
  •  コミック


◆ 関連過去記事 ◆

『黒のもんもん組』猫十字社

『イブの息子たち』青池保子
↑ この記事には書かれていませんが、『イブの息子たち』には、ドジエルやウジエルという天使たちが出てきます。


タグ:マンガ
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『3月のライオン』羽海野チカ [マンガ]

いや、本当に最近の漫画には疎いです。
話題になった『のだめカンタービレ』も『20 世紀少年』も『ハチミツとクローバー』も『デスノート』も未読です。
(^^;

なので、この作者の名前(羽海野チカ)も
(はねうみのチカ?)
(はかいのチカ?)
と、読み方がわかりませんでした。
(うみのチカ)なんですね。(^^;

さて、『ハチミツとクローバー』は読んでませんが、この『3月のライオン』は、将棋棋士が主人公だというので、興味がそそられ読みました。
5 巻発売中のうち、まだ 3 巻までしか読めてませんが・・・



3月のライオン1.jpg

3月のライオン (1) (ジェッツコミックス)

  •  羽海野チカ
  •  白泉社
  •  2008/02/22
  •  コミック
3月のライオン2.jpg

3月のライオン 2 (ジェッツコミックス)

  •  羽海野チカ
  •  白泉社
  •  2008/11/28
  •  コミック
3月のライオン3.jpg

3月のライオン 3 (ジェッツコミックス)

  •  羽海野チカ
  •  白泉社
  •  2009/08/12
  •  コミック


17 歳・・・両親と妹は交通事故で亡くなり、父の友人宅に引き取られた桐山零(きりやま れい)
史上五人目の中学生プロ棋士となった零も、今は高校生です。
一人暮らしを始めたものの孤独感にさいなまれる彼にとって、ひょんなことから知り合った川本家の三姉妹は、まさに心のオアシスでした。

・・・とまぁ、将棋の対局シーンもありつつ、三姉妹とのほのぼのホームドラマチックな展開もありつつ・・・
実は私のメチャクチャつぼにはまったところは、川本家で飼っている三匹の猫です!(笑)

黒猫(と言ってもお腹は白い)、三毛猫、白猫(時々ふくろう化する!?)
この三匹の猫が描かれているページが、とにかく楽しい。

三姉妹の末っ子モモちゃんが牛乳をこぼすと、「命の水!」と目の色が変わる猫ちゃんず!

三姉妹の長女あかりさんが、「ごはん」と言う単語を発すると、「ごはん! ごはん!!」と狂喜乱舞して、あかりさんの足元にまとわりつく猫ちゃんず!

で、ごはんをあげると「うめー」と言いつつ、はぐはぐ、かりかり、かっかっ、と ばくつく猫ちゃんず!

うちの黒猫兄弟とそっくりで、もうすっかりツボです。

決して猫マンガではないのに、すっかり猫マンガとして楽しんでいるのでした。


さて、我が家の黒猫兄弟が解する人語は・・・

名前・・・でも、時々、「クーちゃん」と呼ぶとマッシュが返事をする!?
「ごはん」・・・もう目がランランと輝き、飛び掛ってくる勢い!
「おやつ」・・・「ごはん」より、やや勢いは劣るものの、ダッシュでおやつ置き場に向う!
「あそぶ」・・・おもちゃを置いてある箱に駆け寄り、ねこじゃらしごっこのスタンバイ!

◆ 黒猫兄弟の近況 ◆

冬場は寒いこともあるのでしょう。寄り添って寝ています。

ブログ用寄り添って寝る黒猫兄弟.jpg


手前がクー、後ろがマッシュです・・・たぶん(笑)

ブログ用黒猫兄弟2011年1月9日.jpg

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