『ハナさんのおきゃくさま』角野栄子 [児童書]
2004 年の 6 月のことです。
童話作家、角野栄子の講演会に行きました。
『魔女の宅急便』の作者だから、ちょっと魔女っぽい人なのかなぁ・・・と想像していたのですが、実際の彼女は、銀髪でメガネをかけ、長身でほっそりとした品のいい おばさまでした。
その講演会で話されたことで印象に残っているのは・・・。
小学六年生の女の子から
「どういう理由で、お話を書くのですか？」という質問状をもらったことがあるそうです。
それに対し、角野さんは
「理由は ないの。楽しいから書いているだけなのよ」
と答えたそうです。
楽しんで書くことが大事で、誰かに見せよう、読ませようと思うと、タガができてしまって心に残るようなストーリーは書けない、とも話していました。
角野栄子の作品は、数多く世に出ていますが、どの作品もオリジナリティに溢れていて、読んでいて楽しい・・・それでいて、自分の足でしっかり立っている自立した人を書いているところがいいなぁと思います。
『ハナさんのおきゃくさま』も、そんな一冊です。
つれあいのハナミさんが なくなり、息子のハナトさんも結婚して外国で暮すことになり、ハナさんは一人暮らしをすることになりました。
そこでハナさんが選んだのは、町はずれの森の入り口に立つ赤い屋根の小さな家でした。
この家には、二つ玄関があります。
一つは、町のほうに向いている玄関。
もう一つは、森のほうに向いている玄関。
その両方の玄関からやってくるいろいろな訪問者をおもてなしするのがハナさんの楽しみです。
森方面からは、山ばあさん（頭のぼさぼさ髪の中に迷子の雛を三羽飼ってます！）、一つ目おばけ、弟が生まれて淋しい思いをしているねずみくん などなど。
町方面からも、アフリカ屋さん、男の子のオーバー、雪だるまなどなど。
不思議で面白いお客さんが、次々とやってきます。
私が一番好きなのは「アフリカ屋さん」のお話です。
アフリカ屋さんは、白い帽子を被り、リュックサックをしょって、首からは双眼鏡をかけ、手に虫取り網をもったメガネのお兄さんです。
アフリカ屋さんが売っているのは「アフリカの景色」
彼の双眼鏡をのぞいてレンズをグルグル回すと・・・・・・アフリカの景色が見えてくるのです。
でも、ハナさんが、双眼鏡のレンズをグルグル回しすぎてしまったせいで・・・！
ハナさんはアフリカに飛んでいってしまいました！
ライオンの奥さんに声をかけられたハナさんは、自分のエプロンと交換に「ライオンのヒゲ」をもらうのですが・・・。
ライオンのヒゲは、ハナさんの口元に立派に生えてしまいました。
慌てたハナさんは、シマウマに頼んで「しましまもよう」と「ライオンのヒゲ」を交換してもらいます。
でも今度は、ハナさんの頭のてっぺんから足の先までが「しましまもよう」になってしまいました。
万事窮す！のハナさんは、クロサイと交渉します。
さて、ハナさんはクロサイの何と交換しようというのでしょう？
さすがに、あの角ではありませんよ。（笑）
雨模様で、ちょっぴり うっとうしい日は、こんな楽しい話を子どもの頃に戻った気持ちで読んでいると楽しく過ごせます。
タグ：児童書
「楽しいから」っていうのが良いですね。
by hituji (2009-06-17 13:33)
角野栄子さんはやはり「魔女の宅急便」の作者さんというイメージです
このお話、面白そうですね♪
「アフリカ屋さん」という名前が想像力をかき立てますが
想像以上にいろんなことが起こるみたいで楽しそうです（笑）
クロサイさんと交換するもの・・・なんだろう?
by かおり (2009-06-17 13:56)
あきんたんさん、nice！ありがとうございます！
by びっけ (2009-06-17 21:21)
hituji さん、nice!＆コメントありがとうございます。
そうですよね！
「楽しいから」書く・・・私もブログを書いていて、それが大事だなぁ・・・とつくづく思います。
by びっけ (2009-06-17 21:26)
かおりさん、nice!＆コメントありがとうございます。
ねっ！ 「アフリカ屋さん」！ ‘～屋さん’というところに味がありますよね。
さて、クロサイ（というか動物？）にあって、私達人間に無いもの・・・です。
とりあえず、小さいから隠せるし、ちょっと自慢になるかも・・・。
とハナさんは考えたようです。（＾＾）ｖ
by びっけ (2009-06-17 21:36)
tori さん、nice！ありがとうございます！
by びっけ (2009-06-18 20:40)
夢空さん、nice！ありがとうございます！
by びっけ (2009-06-18 20:48)