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『四月怪談』大島弓子 [マンガ]

『惑星ソラリス』は液体窒素を飲んで死んだハリーの生き返るシーンが怖かったですが、この漫画 『四月怪談』の蘇生は怖くありません。


四月怪談.jpg

四月怪談 (白泉社文庫)

  •  大島弓子
  •  白泉社
  •  1999/03
  •  文庫


主人公は、国下初子、16歳。
初子は登校途中に事故に遭い、病院へ搬送されたものの、幽体離脱?して幽霊となってしまいます。

空中浮遊できるのが楽しくて、ふわふわ飛んでいた初子の霊を見つけ、
(あなたの体は まだあるのだから、体に戻って生き返りなさい)
と声をかけてくれたのは、岩井弦之丞という幽霊でした。
彼は 100 年前の台風による川の氾濫で亡くなり、それ以来ずっと自分の体を捜しているというのです。

しかし、初子は、この面白い状況をすぐ辞めるつもりはありません。
大好きなスターのそばに行ける!
恥ずかしくて見れなかった あの映画も観れる!
と幽霊生活三昧を楽しもうとします。

しかし、スターのそばには、既に同じ考えのファンの霊が取り巻いていて近寄れず
あの映画(バラ族!)にもゲンナリしてしまいます。(^^;

そんなこんなしているうちに、彼女のお葬式の日がやってきました。
火葬場に運ばれ焼かれてしまったら、初子は もう生き返れません。

しかし、ある理由から、生き返りたくないと言う初子。
でも、体があるんだから、生き返ってほしいと言う弦之丞。

泣きながら訴える弦之丞の言葉にハッとします。

 とりえって なんですか?
 とりえって すなわち あなた自身ではありませんか
 とべないことも
 不可能のことも
 冴えないことも
 みんな とりえなんじゃ ありませんか


あぁ、そうかぁ・・・とりえが無い、なんて軽々しく口にしないで、今の自分をまずは精一杯生きなきゃ・・・と思わされた言葉でした。

さて、最後に初子が取った行動は!?

この漫画を読むと、レンゲソウの野原の映像が自然と浮かんできます。


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コメント 20

HAN

原作は未読ですが映画は見ました。
(原作もそうだと思いますが)とてもピュアな作品です。機会がありましたら是非!


by HAN (2010-04-29 08:53) 

ぼんくらオヤジ

おっ、これは面白そうですねぇ♪
探して読んでみます。情報感謝です!
by ぼんくらオヤジ (2010-04-29 20:14) 

びっけ

@ミックさん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2010-04-29 23:24) 

びっけ

manamana さん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2010-04-29 23:24) 

びっけ

HAN さん、コメントありがとうございます。
まぁ! 映画をご覧になってらっしゃるのですね!
・・・ひょっとして制作関係者だったとか・・・
私もこの映画を観たい観たいと思いつつ、レンタルショップにもネットレンタルにも無くて、まだ観れていないのです。(;_;)
中嶋朋子とギバちゃんなんですよね?
何とかして、今年こそは観たいです。
by びっけ (2010-04-29 23:28) 

びっけ

utu_mamoru さん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2010-04-29 23:28) 

びっけ

ぼんくらオヤジさん、nice!&コメントありがとうございます。
60 ページほどの作品ですが、なかなか深い良作だと思います。
(^^)v
by びっけ (2010-04-29 23:30) 

miyuco

本当に大好きな作品です!
「あなたの生き返らないこころに泣いてるんです」
弦之丞さんがとてもすてきでした。
火葬場のシーンからの怒濤の展開が素晴らしかった。

よろしければTBしていただけると嬉しいです。
五年近く前に書いた(古いっ!)過去記事ですが
私からもTBさせていただきましたのでよろしくお願いします^^
by miyuco (2010-04-30 22:16) 

びっけ

miyuco さん、nice!&コメント、そして TB も ありがとうございます。
弦之丞さん、いいですよね!
夏山登氏の一途さも、初子のお母さんの娘を思う気持ちにも グッときました。
蘇生してからの初子さん(&弦之丞)の描写も好きです!

お言葉に甘えて TB させていただきますね!
by びっけ (2010-05-05 00:06) 

びっけ

pochi さん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2010-05-05 00:17) 

びっけ

ムクさん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2010-05-05 00:59) 

春分

私はこれをリアルタイムで読んだ頃を思い出します。
何に載ったのでしたっけ?プチコミックか?
by 春分 (2010-05-05 12:00) 

びっけ

春分さん、nice!&コメントありがとうございます。
私もすっかり失念してまして、調べてみたら、「ギャルズライフ」ですって!
春分さん、この雑誌、購入されて読まれたのでしょうか?
ある意味、すごい!

by びっけ (2010-05-05 21:46) 

HAN

関係者ではありませんでした。この監督の自主映画時代からの作品は大好きで気になって見に行きました。ジュブナイル的な作品が多く(自主映画の「地球に落ちてきたくま」や、商業作品1作目の「星空のむこうの国」も良いですよ!)、お気に入りの監督です。ってその後、お会いする機会はあったのですが、仕事を一緒させていただ事はありません。


by HAN (2010-05-06 11:07) 

びっけ

HAN さん、コメントありがとうございます。
小中和哉監督・・・うーん、彼の作品は一つも見てません。(^^;
『四月怪談』と一緒に、他の作品も捜してみます!
おすすめ映画情報、ありがとうございます!
by びっけ (2010-05-06 22:51) 

sknys

びっけさん、こんばんは。
不虜の事故で死んだ主人公が浮游霊になって‥‥という設定の映画や小説は
掃いて捨てるほどあるけれど、2人の「合体」が意表を衝き、
ラスト・カットの「桜の木の上から教室を眺めている三つ編み少女」が
新たな物語を予感させます。
桜の木の上の少女は自殺願望の都窪菊子かもしれない。

「四月怪談」が掲載された「GALS LIFE」(1979年6月号)には
「わたしの生態学」──現世超異次元空間(うつしよワンダースペース)、
ジョージタウン弓子浮游浮游(ユーミンウキウキ)、
ユーミン式漫画家になる方法教えます──という
イラスト・エッセイ(4頁)が付いていました^^
by sknys (2010-05-07 21:16) 

びっけ

sknys さん、コメントありがとうございます。
『雛菊物語』の菊子さんの髪型は、なんとなくボワッとしたツインテールもどき?の髪型でしたよね。
(^^;

「GALS LIFE 」のそのイラスト・エッセイは記憶にあるような、無いような・・・はい、ありません。(笑)
そういうイラストも選集に入れてほしかったなぁ。
sknys さんは、原本「GALS LIFE 」をお持ちなのかしら?
だったら、お宝ですね!
by びっけ (2010-05-10 18:58) 

つぶりん

びっけさん、はじめまして。
ウン十年前からの大島弓子ファンです。
アビニョンの橋の歌が思い出されました。
手許にあるこの文庫本をよみかえしました。
やっぱりいいですね。おばさんになっても好きです。
映画も見たいですね。
中島朋子はいいかも。
by つぶりん (2010-05-19 17:19) 

びっけ

つぶりんさん、コメントありがとうございます。
アビニョンの橋の「お太鼓橋」のところが好きです!(笑)

ひょっとして同世代かもしれませんね。(^^)v

by びっけ (2010-05-19 18:14) 

びっけ

Betty さん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2010-06-01 00:50) 

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