『モーツァルトはおことわり』作:マイケル・モーパーゴ 絵:マイケル・フォアマン [児童書]
武道館で行われた「戦没者追悼式」のようすをニュースで見ました。
式が始まる前の武道館の様子が映し出され、バックに流れていたのはモーツァルトの『レクイエム』・・・だったような気がしました。(もしかしたら違う曲かもしれませんが・・・(^^;)
『モーツァルトはおことわり』という本があります。
新聞社に入社して間もない新米記者にチャンスがめぐってきました。
スキーで怪我をした上司に代わって、高名なバイオリニストにインタビューすることになったのです。
上司は彼女に こう言います。
「くれぐれも、モーツァルトに関する質問は しないように!」
どうして???
でも、彼女はインタビューの始めに、モーツァルトのことに触れてしまいます。
これで万事休す・・・インタビューは失敗か!
・・・と思った時、高名なバイオリニスト、パオロ・レヴィ氏は語り始めます。
彼の秘密を・・・
レヴィ氏の父親はイタリアのヴェニスで床屋を営んでいました。
その父には・・・母にも・・・秘密がありました。
彼らは、若い頃、バイオリニストだったのです。
でも、父は そのことを決して話しません。
母も古いバイオリン(タンスの上に隠している)を見せてくれただけでした。
ある夜、外から聴こえてくるバイオリンの音色に誘われて、レヴィ少年は広場へ行きました。
広場でバイオリンを弾く一人のおじいさん。
彼との出会いでレヴィ少年の人生は変わってゆきます。
おじいさんにバイオリンの演奏を教わったのです。
みるみる上達していくレヴィ少年。
そして、とうとう、両親にバイオリンを弾いていることを打ち明ける日が来ました。
同時に、父たちの哀しい過去を知ることにもなりました。
父たちは、かつて強制収容所にいたユダヤ人だったのです。
収容所に着いた時、「オーケストラで楽器の演奏ができるか?」という質問に「はい」と答えることができたために命拾いしたのでした。
収容所では将校たちのために演奏をさせられます。
それだけではありませんでした。
列車に乗せられ、強制収容所に着いた人々を迎え入れるときも、演奏をするように命令されました。
その目的は・・・・・・
レヴィ氏の父親は息子に ある約束をさせます。
「私が生きている間は、人前や私に聞こえるところで絶対にモーツァルトを演奏しないでほしい。
モーツァルトは おことわりだ。」
どうして、邪悪なことに美しい芸術を利用するのでしょう?
最後まで、モーツァルトの音楽を聴くことを拒否し続けた父親の苦しみに胸がつまります。
式が始まる前の武道館の様子が映し出され、バックに流れていたのはモーツァルトの『レクイエム』・・・だったような気がしました。(もしかしたら違う曲かもしれませんが・・・(^^;)
『モーツァルトはおことわり』という本があります。
新聞社に入社して間もない新米記者にチャンスがめぐってきました。
スキーで怪我をした上司に代わって、高名なバイオリニストにインタビューすることになったのです。
上司は彼女に こう言います。
「くれぐれも、モーツァルトに関する質問は しないように!」
どうして???
でも、彼女はインタビューの始めに、モーツァルトのことに触れてしまいます。
これで万事休す・・・インタビューは失敗か!
・・・と思った時、高名なバイオリニスト、パオロ・レヴィ氏は語り始めます。
彼の秘密を・・・
レヴィ氏の父親はイタリアのヴェニスで床屋を営んでいました。
その父には・・・母にも・・・秘密がありました。
彼らは、若い頃、バイオリニストだったのです。
でも、父は そのことを決して話しません。
母も古いバイオリン(タンスの上に隠している)を見せてくれただけでした。
ある夜、外から聴こえてくるバイオリンの音色に誘われて、レヴィ少年は広場へ行きました。
広場でバイオリンを弾く一人のおじいさん。
彼との出会いでレヴィ少年の人生は変わってゆきます。
おじいさんにバイオリンの演奏を教わったのです。
みるみる上達していくレヴィ少年。
そして、とうとう、両親にバイオリンを弾いていることを打ち明ける日が来ました。
同時に、父たちの哀しい過去を知ることにもなりました。
父たちは、かつて強制収容所にいたユダヤ人だったのです。
収容所に着いた時、「オーケストラで楽器の演奏ができるか?」という質問に「はい」と答えることができたために命拾いしたのでした。
収容所では将校たちのために演奏をさせられます。
それだけではありませんでした。
列車に乗せられ、強制収容所に着いた人々を迎え入れるときも、演奏をするように命令されました。
その目的は・・・・・・
レヴィ氏の父親は息子に ある約束をさせます。
「私が生きている間は、人前や私に聞こえるところで絶対にモーツァルトを演奏しないでほしい。
モーツァルトは おことわりだ。」
どうして、邪悪なことに美しい芸術を利用するのでしょう?
最後まで、モーツァルトの音楽を聴くことを拒否し続けた父親の苦しみに胸がつまります。
タグ:児童書
終戦の日にふさわしい本ですね。
悲しい人生の秘密があったのですね。
by manamana (2011-08-15 22:37)
とても興味深い本です。
絵のイメージもとても素敵ですね、薄い色合いと細い線が
はかなさやかなしみが伝わります。
by めりー (2011-08-16 00:08)
いい
本 ご紹介 ありがとう。
いい
加減 いわゆる 心的外傷から 卒業
できれば と 思って おりました。
********
墨あそび詩あそび土あそび
HP管理スタッフ KENTA
******
ひとり ひとり こころふかく {いたみ}
を 抱えて 誰にも 語らずに
くらして いる。
*******
{いたみ}
の よってきたるところも
わからずに
{いたみ}
の 原因と そのことを
言いえたことは
とっても
よかった。
******
墨あそび詩あそび土あそび
HP
管理スタッフ KENTA
*******
こころのきず
みえない
みえない
み・え・な・い
*******
「星の王子さま」
は
{ほんとうのことは みえない}
って きつねが言いますね。
*******
{視覚の情報が 7,8割の世界に生きるいわゆる
晴眼者の世界は どうなるのでしょうか?}
厳しく「見た 見た 」
と
見たを強調しています。
*******
ほんとう 真実は」
み・え・な・い
*******
と いったい どうするの?
墨あそび詩あそび土あそび
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by おこらんど (2011-08-16 05:11)
なるほど、読まなくてもだいたいわかりました。
世界には小さな大切な話がたくさんあるものだなと、思いました。
by 春分 (2011-08-16 09:04)
manamana さん、nice!&コメントありがとうございます。
この時期、いろいろ考えさせられます。
(v_v)
by びっけ (2011-08-16 23:24)
夢空さん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2011-08-16 23:24)
めりーさん、nice!&コメントありがとうございます。
透明感のある色彩が綺麗ですよね。
おっしゃるとおり、静かで淡々した絵が、余計に哀しさを感じさせます。(;_;)
by びっけ (2011-08-16 23:27)
cuarta さん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2011-08-16 23:28)
おこらんどさん、コメントありがとうございます。
語り継いでいかなければならない歴史を、しっかり繋いでいかなければ、と思います。
by びっけ (2011-08-16 23:34)
春分さん、nice!&コメントありがとうございます。
そうですねぇ・・・まだまだ知らないことばかりです。
知ろうと努力することも必要だと感じています。
by びっけ (2011-08-16 23:35)
モーツワルト
が いやだった 父親の理由は
つらい体験だったんですね。
す・ご・く
つらいことです。
墨あそび詩あそび土あそび
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KENTA
by おこらんど (2011-08-17 13:54)
おこらんどさん、コメントありがとうございます。
音楽が忌まわしい思い出と結びついてしまうなんて、最悪の経験ですよね。
(;_;)
by びっけ (2011-08-19 22:36)
@ミックさん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2011-08-19 22:45)