『真珠の耳飾りの少女』 隠された髪 [映画]
画家フェルメールの代表作「真珠の耳飾りの少女」
あれっ? 前は「青いターバンの少女」っていわなかった?
そんな?もありつつ観た映画『真珠の耳飾りの少女』は 2003 年、ピーター・ウェーバー監督作品です。
この絵画のモデルの少女が誰なのかは一切が謎に包まれているそうですが、この映画ではフェルメールの家で住み込みで働いていた使用人(召使い?女中?メイド?!)がモデルだったというストーリーになっています。
少女グリートを演じるのはスカーレット・ヨハンソン。
最近、テレビでよく CM を見かける映画『アベンジャーズ』で赤毛のブラック・ウィドウを演じている女優です。
フェルメールの絵と比べると、スカーレット・ヨハンソンは決して似ているとは思えないのだけれど、映画を観ているうちに、どんどん、(あぁ!あの絵の少女にそっくりだわ!)と思えてくるから不思議です。
最初は、グリートがいかにも小娘でおどおどしていると思えたのですが
先輩の女中と一緒に肉屋で買い物するシーンで見方が変わりました。
肉屋に古い肉をわたされたグリートが、すかさず
「この肉は傷んでいるわ。これじゃ、奥さまはお気に召さない」
と、はっきりと NO を言うあたり、この小娘、なかなかどうして芯がしっかりしている、と印象付けられたのです。
だから、それ以降、フェルメール夫人やその子どもに意地悪をされたり、フェルメールのパトロンに言い寄られても、グリートなら大丈夫、切り抜けられる・・・と安心して見続けることができました。
この映画には、なかなか官能的なシーンが三つあります。
一つは、真珠の耳飾りをつけるためにピアスの穴をあけるシーン。
フェルメールがグリートの耳たぶに針を突き刺して、グリートが涙をこぼすシーンは、なんだか意味深ですわ。(^^;
二つ目は、唇にツヤを出させるために、フェルメールがグリートに「唇を舐めなさい」と繰り返し指示するシーン。
二度くらいならともかく、四度も指示するなんて、なんだか しつこすぎますわ。
天ぷらでも食べさせてあげれば、いっぺんで済みますのに。(笑)
三つ目は、青いターバンを巻くために、グリートがいつものかぶりものを取った瞬間、彼女の髪があらわになるシーン。
私はこのシーンに、一番ゾクッとしました。
背中ぐらいまである豊かな赤い髪!
決して見ないで下さいと、鶴の恩返しのように頼むのに、戸口から見てしまうフェルメール。
彼の目は、まさに釘付け状態でした。
ひょっとしてひょっとすると、フェルメールは、その豊かな髪をたらした少女も描きたかったんじゃないかしら?
フェルメールを演じているのはコリン・ファース。
彼は『英国王のスピーチ』でアカデミー主演男優賞を受賞しているそうですが、そちらは未見。
唯一、私が観た彼の出演作は『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうな私の十二ヶ月』です。
なので、ちょっとギャップがあって驚きました。(^^;
この映画のフェルメールさん、寡黙ですが目つきが鋭い!
内側まで透視するかのような、人を人としてより美の対象としてしか見ないというか、いかにも芸術家の目をしています。
映画の結末は、あっけなくて物足りなかったので原作も読んでみました。
あぁ、原作を読んで正解!
映画では、どうしてオープニングで、グリートが切った野菜を綺麗に並べているのかわかりませんでした。
でも、原作を読んで、グリートが色に対する優れた美的センスを持っていて、それを見抜いたフェルメールが彼女を使用人にすることを決めたということがわかりました。
映画の最後でグリートのもとに届けられた真珠の耳飾りも、映画では理由がよくわからなかったけれど
本を読んだら、亡くなったフェルメールの遺書に、グリートに真珠の耳飾りを贈ると書かれていたからだとわかりました。
その真珠をすぐに売り払って、家計の足しにしつつ、自分のへそくりにもするグリート!
グリートのしたたかで強いところ、大好きです!(笑)
さて、まったく別物ですが、こんな表紙の本があります。
『キャット・アート-名画に描かれた猫』
表紙が、まさにこの『真珠の耳飾りの少女』!
猫耳にちゃんと真珠のピアスをしているところが笑えます。
あれっ? 前は「青いターバンの少女」っていわなかった?
そんな?もありつつ観た映画『真珠の耳飾りの少女』は 2003 年、ピーター・ウェーバー監督作品です。
この絵画のモデルの少女が誰なのかは一切が謎に包まれているそうですが、この映画ではフェルメールの家で住み込みで働いていた使用人(召使い?女中?メイド?!)がモデルだったというストーリーになっています。
少女グリートを演じるのはスカーレット・ヨハンソン。
最近、テレビでよく CM を見かける映画『アベンジャーズ』で赤毛のブラック・ウィドウを演じている女優です。
フェルメールの絵と比べると、スカーレット・ヨハンソンは決して似ているとは思えないのだけれど、映画を観ているうちに、どんどん、(あぁ!あの絵の少女にそっくりだわ!)と思えてくるから不思議です。
最初は、グリートがいかにも小娘でおどおどしていると思えたのですが
先輩の女中と一緒に肉屋で買い物するシーンで見方が変わりました。
肉屋に古い肉をわたされたグリートが、すかさず
「この肉は傷んでいるわ。これじゃ、奥さまはお気に召さない」
と、はっきりと NO を言うあたり、この小娘、なかなかどうして芯がしっかりしている、と印象付けられたのです。
だから、それ以降、フェルメール夫人やその子どもに意地悪をされたり、フェルメールのパトロンに言い寄られても、グリートなら大丈夫、切り抜けられる・・・と安心して見続けることができました。
この映画には、なかなか官能的なシーンが三つあります。
一つは、真珠の耳飾りをつけるためにピアスの穴をあけるシーン。
フェルメールがグリートの耳たぶに針を突き刺して、グリートが涙をこぼすシーンは、なんだか意味深ですわ。(^^;
二つ目は、唇にツヤを出させるために、フェルメールがグリートに「唇を舐めなさい」と繰り返し指示するシーン。
二度くらいならともかく、四度も指示するなんて、なんだか しつこすぎますわ。
天ぷらでも食べさせてあげれば、いっぺんで済みますのに。(笑)
三つ目は、青いターバンを巻くために、グリートがいつものかぶりものを取った瞬間、彼女の髪があらわになるシーン。
私はこのシーンに、一番ゾクッとしました。
背中ぐらいまである豊かな赤い髪!
決して見ないで下さいと、鶴の恩返しのように頼むのに、戸口から見てしまうフェルメール。
彼の目は、まさに釘付け状態でした。
ひょっとしてひょっとすると、フェルメールは、その豊かな髪をたらした少女も描きたかったんじゃないかしら?
フェルメールを演じているのはコリン・ファース。
彼は『英国王のスピーチ』でアカデミー主演男優賞を受賞しているそうですが、そちらは未見。
唯一、私が観た彼の出演作は『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうな私の十二ヶ月』です。
なので、ちょっとギャップがあって驚きました。(^^;
この映画のフェルメールさん、寡黙ですが目つきが鋭い!
内側まで透視するかのような、人を人としてより美の対象としてしか見ないというか、いかにも芸術家の目をしています。
映画の結末は、あっけなくて物足りなかったので原作も読んでみました。
あぁ、原作を読んで正解!
映画では、どうしてオープニングで、グリートが切った野菜を綺麗に並べているのかわかりませんでした。
でも、原作を読んで、グリートが色に対する優れた美的センスを持っていて、それを見抜いたフェルメールが彼女を使用人にすることを決めたということがわかりました。
映画の最後でグリートのもとに届けられた真珠の耳飾りも、映画では理由がよくわからなかったけれど
本を読んだら、亡くなったフェルメールの遺書に、グリートに真珠の耳飾りを贈ると書かれていたからだとわかりました。
その真珠をすぐに売り払って、家計の足しにしつつ、自分のへそくりにもするグリート!
グリートのしたたかで強いところ、大好きです!(笑)
さて、まったく別物ですが、こんな表紙の本があります。
『キャット・アート-名画に描かれた猫』
表紙が、まさにこの『真珠の耳飾りの少女』!
猫耳にちゃんと真珠のピアスをしているところが笑えます。
最近の日本でのフェルメール人気すごいですね。私が持っている古い本では単に《若い女》ってなってて、《真珠の耳飾りの少女》とも《ターバンの少女》とも。って。映画あまり見ないので、この映画知りませんでしたが、ピアスの穴をあけるシーンは意味深ですね。原作もあるんですね。ちょっと読んでみたいかも。そして『CAT ART』カワイイです。
by しーちゃん (2012-09-09 13:12)
映画も原作も未見ですが、スカーレット・ヨハンソンのキャスティングって凄いセンスですよね。絵画の雰囲気にぴったりですな。(笑;)
by YaCoHa (2012-09-09 13:39)
びっけさん、こんばんは。
「Kitten Covers」は合成加工写真ですが、
「CAT ART」はカンヴァスにアクリルで手描きしているので、
全124点が完成するまで約5年もかかったそうです。
「2人の有能な美人アシスタント」のサポートも見逃せませんね。
「猫カレンダー」も出ちゃいました^^
(http://www.kyuryudo.co.jp/shopdetail/025000000002/)
by sknys (2012-09-09 18:11)
「青いターバンの少女」
言っていました!
この呼び方でした
映画は見ましたが
まったく感想なしでした
この猫の絵
ちょっと前に話題になったような?
黒後家って
なんとなく凄い
by caramelpapa (2012-09-09 21:59)
妖怪風に描いたら、面白かろう・・・
by たいへー (2012-09-11 07:48)
私も「青いターバンの少女」だと思っていました。
昔はフェルメールは好きじゃなかったのですが
最近見ると面白いです。
今月末から神戸でマウリッツハイス展です。
行けるといいんですけど。
by Chisa (2012-09-12 17:53)
しーちゃんさん、nice!&コメントありがとうございます。
本当に、最近のフェルメール人気、目を見張るものがあります。
絵画にも流行?というものがあるのでしょうね。
私はいつまでたってもパウル・クレー好き一辺倒です。(笑)
『CAT ART』、図書館から借りて見てみました!
想像を超える点数の絵(124点)が描かれていて、美術史の勉強にもなりました。
(^^)v
by びっけ (2012-09-24 09:38)
YaCoHa さん、nice!&コメントありがとうございます。
スカーレット・ヨハンソン、いろんな役柄を演じるなぁと感心しています。
あのぽっちゃりした唇が、案外好きですわ。(^^;
by びっけ (2012-09-24 09:40)
sknys さん、コメントありがとうございます。
『CAT ART』、ここまで描き込むのか!というほど、猫に特化していて面白かったです。
ウィスカー・キティフィールドくんの解説とカットも、画家名や絵のタイトルまで猫づくしで、恐れ入りましたの一冊でした。
>2人の有能な美人アシスタント
とは?
猫カレンダーは、いいですねぇ。(^^)v
by びっけ (2012-09-24 09:49)
caramelpapa さん、コメントありがとうございます。
ですよね、「青いターバンの少女」って言ってましたよね。
作者が絵にタイトルをつけなかったから、コロコロ変わるのかなぁ?
ブラックウィドウ・・・黒後家・・・確かクモにそういう名前のクモがいますよね。
ブラックウィドウは私にとって、カマキリとかクモのイメージです。(笑)
by びっけ (2012-09-24 09:55)
マチャさん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2012-09-24 09:56)
夢空さん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2012-09-24 09:57)
たいへーさん、nice!&コメントありがとうございます。
フフフ。妖怪風ですか。さしずめ、猫娘ですね。(^^)v
『CAT ART』には、竹久夢二の『黒船屋』のパロディで『黒鼠屋』という絵があって、これが少し妖怪っぽく見えないこともありません。
メス猫の和服姿って、なかなか妖怪っぽいですよね。(笑)
by びっけ (2012-09-24 10:06)
Chisa さん、コメントありがとうございます。
私もフェルメールは、地味目で特に興味はなかったのですが、映画を観てから、何だか興味が湧いてきました。
神戸のマウリッツハイス展、ご覧になれるといいですね。(^^)v
by びっけ (2012-09-24 10:10)
びっけ様
お元気ですか。
季節の変わり目です。
お風邪など召しませんように。
by マアカ (2012-10-23 12:32)
この映画は以前観たことがあると思うのですが
あまりよく覚えていません。
びっけさんの年代は何かと忙しいですよね。
お元気にしてらっしゃるでしょうか。
by barbermama (2012-11-05 07:36)
とても気になり、最近、毎晩おじゃましています。
長い間更新されていないようですが、ビッケさんお元気ですか?
映画、観てみたいです。
by 銀河のかなた (2012-11-10 21:47)
「2人の有能な美人アシスタント」とはMollyとNickel嬢です^^
(http://www.catcatart.com/index.html)
by sknys (2012-11-11 17:35)
@ミックさん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2012-11-19 12:04)
マアカさん、nice!&コメントありがとうございます。
はい、元気です!(^^)v
ちょっと長いお休みをしてしまいましたが、また、ぼちぼちブログを書いていこうと思います。
また、よしなに!
by びっけ (2012-11-19 12:07)
barbermama さん、nice!&コメントありがとうございます。
はい、元気です。
長らく、ブログを休んでいて、ご心配をおかけしてしまったようで申し訳ありません。
また、ぼちぼち、書いていきますので、よろしくお願いいたします!(^^)v
by びっけ (2012-11-19 12:15)
銀河の彼方さん、コメントありがとうございます。
ちょっと、長いお休みしてしまいましたね。(^^;
書きたいことは、まだまだあるので、これからもマイペースで続けていこうと思います。
読んで、面白かったり、思うことがありましたら、またコメントくださいませ!
よろしくお願いいたします!
by びっけ (2012-11-19 12:17)
sknys さん、コメントありがとうございます。
へーっ、こんな有能なアシスタント猫ちゃんがいたのですか!
二匹の審美眼、たいしたものだわ。
動画も楽しませていただきました。
いつも、ナイスな情報、ありがとうございますニャ!
by びっけ (2012-11-19 12:23)
julliez さん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2012-11-19 23:13)
すずめさん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2012-11-24 00:14)