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『桜時間』 大島弓子 [マンガ]

うさ吉・・・って名前、どうですか?
めちゃくちゃ違和感がありません?
大島弓子の『桜時間』に出てくる少年の名前が「畑野うさ吉」君(小学四年生)なのです。
お父さんの名前は畑野作造・・・うん、まぁ普通。
お母さんの名前は畑野とり子・・・うん、まぁちょっと個性的。

さて、うさ吉君には出生の秘密がありました。
お母さんのとり子さんに語っていただきましょう。

  わたしが16の時 3人の男とつきあいました
  一人目はニックネームしか知りませんでした
  二人目は働いてました
  三人目は家つきの放蕩息子でした
  一人目とは 桜が咲いて散るまでの みじかいつきあいでした
  その彼とわかれてから 翌日に二人目とのつきあいが始まり
  翌よく日には三人目とつきあいはじめ
  その後三か月間というものは 二人目と三人目のかけもちというのをやりました
  時間の割りふりも楽しかったです
  その楽しいつなわたりが なぜ三か月間だったかというと
  わたしのお腹の中に子どもを発見したからであります
以下、長いから略。

で、うさ吉くんの誕生!です。
うさ吉くんの実の父は、三人のうちの誰かは不明。
うさ吉くんの今のお父さんは、なんと!
・・・二人目と三人目の男は結局逃げて(わかれの長い手紙をくれたそうな)、
途方にくれたとり子さんの前に現れた四人目の男でした!
とり子さん曰く、彼は
「結婚しようと言いだしました  それで わたしたちは結婚しました」
だそうです。

なんと奇特な男性でしょう!
彼は、自分のDNAは反映されていない息子に「うさ吉」と名づけて、良き父親になってくれたのです。

で、事件は桜の花が咲き始める頃、新学期を迎え(クラス替えもあった)うさ吉くんが、新しいクラスメートとケンカしたことから始まるのです。
ケンカの原因については、うさ吉くんに語っていただきましょう。
「あいつ! うさ吉だから弱いだろうって いったんだ」
やっぱり、そうよね。「うさ吉」って名前で、からかわれないわけがない!

まぁ、その後、ストーリーは意外な展開を見せ、うさ吉くんの出生の秘密に関わる、とり子さんの苦悩がメインになって進んでいきます。

この作品の中で、私がやっぱり感動しちゃうのは、うさ吉くんのお父さん、畑野作造氏です。
息子に逃げ隠れせず、はっきり言うのです。
「おまえがお母さんの恋人だった人の子どもだってことは本当なんだ
 その恋人は都合があって結婚できなかった
 それでお父さんがお母さんと結婚したのさ」

そして、うさ吉くんが、カッとなって暴力をふるいそうになったらどうすればいいの? と聞くと
「リマハタワープ ロンロンパルコ センターオーバー バックバック」
というマジナイを唱えると
「ムカムカしたり理由もなく乱暴したくなったとき これをとなえる
 頭がいちじ すーっと冷えます
 そのうちに思いなおすことができるわけ」
と教えてくれるのです。
いいお父さんじゃありませんか!

桜の花が散って葉桜になる頃、畑野家に起こった事件は解決します。

やっぱり、子どもの名前って、ちゃんと考えなくちゃなぁ・・・と思った私です。
オイオイ! そっちかい?!


 ↓ こちらに収録されています。

大島弓子選集 (第10巻)

  •  大島 弓子
  •  朝日ソノラマ
  •  1985/12
  •  単行本


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コメント 17

能天気

その話は読んだ事ないなぁ
びっけさんの話見ていると・・・・・

おッ、以外と同世代かも・・・と思ったり(すごい期待)
バンプが好きだよ相当若いのかな?と思ったり(少しがっくり)

でも、セブンティーンの話題がでて・・・・
親近感わきました。

もしよかったらお友達になってくださいな
by 能天気 (2007-04-02 00:41) 

おきざりスゥ。

「なんでトラ吉じゃないんだ!そっちの方が強そうなのに」
って件ありましたね~。

スゥ。は反対。
ずーっとウサギだと信じていて実はトラだったんです、干支。
(小さい頃ランドセルにブラさげていた御守にもウサギの絵が付いていたのに)
干支って節分を境に切り替わるのが本来なんだそうで…
1月生まれは前の年の干支になるって成人してカナリ経ってから知りました。
ウサ吉くんと逆に「なんで?トラよりウサギの方が可愛いのに!」
って10代の頃までなら思ったかも知れません。

↑で能天気サンが話題を出してられますがスゥ。の年齢はコレで公表されたも同然~
                    びっけサンは同世代と睨んでいるのですが…ドウカナ?
by おきざりスゥ。 (2007-04-02 09:56) 

miyuco

うさ吉くんのお父さん、いいですよね~。
ほんと、大好きですわ。
あの長いおまじない、「後略!!」でもききましたね^^
選集10巻は大好きな作品ばかり。
フランスママの話「夢虫・未草」も好きなんです。
by miyuco (2007-04-02 14:56) 

びっけ

jin-yumaさん、nice!ありがとうございます。
by びっけ (2007-04-02 19:22) 

びっけ

能天気さん、コメントありがとうございます。
>バンプが好きだよ相当若いのかな?と思ったり(少しがっくり)
ふふふ。音楽に年齢制限はありませんから・・・。
ご想像のとおりの世代であります。
>もしよかったらお友達になってくださいな
こんな私でよかったら、こちらこそ!
どうぞ、よろしくお願いします。
by びっけ (2007-04-02 19:24) 

びっけ

おきざりスゥ。さん、nice!&コメントありがとうございます。
そうそう、「とら吉」・・・? んっ? 原文では「くま吉」でしたぁ。
そうか、節分が干支の区切りなのですか。
なるほどねぇ。
で、スウ。さんの干支は寅さんですか・・・
阪神ファンとか?・・・いや、名古屋圏でしたわね。(^^;
私の干支は、実在する動物です。
で、生年は196・・・ガーピーガガ×◎△■~ガガガ!
あれれ? 妨害電波? 文字化け光線? が発生しているようです。
by びっけ (2007-04-02 19:30) 

びっけ

miyucoさん、nice!&コメントありがとうございます。
>あの長いおまじない、「後略!!」でもききましたね^^
そうそう、後略!でも効き目があるのですから、作造氏は呪文の神様ですわ!
(バンプにもそういう人が約1名いらっしゃいますね。(^^;)
>フランスママの話「夢虫・未草」も好きなんです。
あの林子ちゃんのママは正直苦手だけれど、林子ちゃん、幸せになってくれているといいなぁ・・・と思ったりしています。
by びっけ (2007-04-02 19:38) 

うみのつばめ

大島弓子先生の作品も大好きです♪
うさ吉くんとお父さんの親子関係がいいですね。
『週刊マーガレット』で描いていらした頃から注目していましたが、白泉社や小学館へ移ってから、ほのぼのさが尚一層増したような気がします。
特に『綿の国星』。
あの、一連のシリーズが特に気に入っています。
by うみのつばめ (2007-04-02 23:00) 

おきざりスゥ。

>原文では「くま吉」でしたぁ。
おっと失礼!どうもスゥ。は何でも自分に引き寄せてしまいますねー。
そんなら自分のブログ記事を更新すればイイのにねー(苦笑)

子連れの…コブ付の…どうも聞こえの悪い言葉ですが…
生さぬ仲の子のいる女性と結婚する男性のスゥ。的評価は2階級特進です。
(哀川翔しかり舞の海秀平しかり船越英一郎しかり)
DNAにのみ支配されない人間の証みたいなものでしょう。
自分の仔を孕ませる為に現在の仔を噛み殺すライオンや
ヒトと同じ霊長目でも ハヌマンラングールなんぞと違うところ。
私達はgeneにだけ操られているのではなくmemeだって手に入れたのですから。
そんなわけで向井亜紀よりタケカワユキヒデに共感するスゥ。でしたぁ。
by おきざりスゥ。 (2007-04-03 01:00) 

びっけ

うみのつばめさん、nice!&コメントありがとうございます。
>特に『綿の国星』。
私もちび猫大好きです。もちろんラフィエルも!
それにしてもちび猫がホワイトフィールドになる日は・・・なかなか遠いですね。
by びっけ (2007-04-03 19:16) 

びっけ

スゥ。さん、いえいえ、くま吉もとら吉も似たようなものですもの。
うさ吉くんのお父さん、いい男!ですよね。
とり子さんが惚れ直したのも、うなづけますわ。
舞の海さんのことは、知りませんでした! そうなんですか。
by びっけ (2007-04-03 19:19) 

sknys

びっけさん、こんばんは。
「桜時間」はドンデン返し(オチ)のない異色作だと思います。
女主人公とり子は一児の母親だし、ちょっと猟奇的な展開もある。

水下幸人とスウィマーが同一人物なのか、
うさ吉の父親が誰なのかも分からないまま終わってしまう。
畑野作造→秋野太作→草野大悟→北野大‥‥を連想してしまいました。

スゥ。さまが「兎」でなくて「虎」だったというのは、説得力あるなぁ。
by sknys (2007-05-21 01:17) 

びっけ

sknysさん、コメントありがとうございます。
「桜時間」は、私の場合
短期間に3人の男性と付き合って、かつ現在の夫にもみそめられる‘とり子’さんの魅力ってすごいなぁ・・・
と、まずはそこに気がとられました!(^^;

うさ吉くんの父親はスウィマーで水下幸人だと私は思ってます。
女って、どんなに短期間で複数人と関係しようと、やっぱり自分の産んだ子の父親は本能的にわかるような気がするんです。
あっ、もちろん、私は、とり子のような実体験はありませんよ!(^^;
で、とり子が
「あの子を産んだ時から わたし思ってたわ
うさ吉は スウィマーの子どもだと」
と思っている時点で、もう、うさ吉の父親はスウィマーだと思うんですよね。

後は、「氏より育ち」!
畑野作造氏が単に種を蒔いて終わりの人ではなくて
名前のとおり、畑や野原に作物を作って(造って)育てる人で
うさ吉をしっかり育てていくのだ・・・と思いたいです。

>畑野作造→秋野太作→草野大悟→北野大
フフフ。面白い連想ですね。
好きな順も、見事にこの順番ですわ。
by びっけ (2007-05-21 20:02) 

sknys

母親は自分の産んだ子供の父親が誰か本能的に分かるんだ!
‥‥でも、もしそうなら、2重(螺旋)の意味で怖い話だなぁ^^;
『氷点』風のオチを期待していたんですが。

うさ吉の父親=スウィマー=水下幸人という仮説は、
畑野とり子の主観で、作品内の客観的な事実ではない。
どっちでも良いじゃない!‥‥と作者が言っているような気がします。

前のコメントで自主削除した部分を復活させておきます。
「うさ吉=うさぎ+血」という意味ではないでしょうか?
P.S. TBが効かないのでリンクしました^^
by sknys (2007-05-22 22:11) 

びっけ

sknysさん、コメントありがとうございます。
>「うさ吉=うさぎ+・・・」
こわいです!
それこそ八つ墓村で、ナショナル懐中電灯並みのこわさです!

☆ あれっ? TBできませんでしたか? すみません。
スパムTB防止のため、設定しているキーワードが多すぎたかもしれません。
早速、少しはずしてみたので、よろしかったらリトライしてくださいませ。
by びっけ (2007-05-23 19:14) 

おきざりスゥ。

「オトコにゃわからん」
「女の感性 女の感性」

イエ別にsknysサン宛ぢゃありませんよ?
<カーニバルナイト>の台詞・ふ・ふ。

ところでmiyucoサンに教わった<セクシーボイスアンドロボ>
最終話は<桜時間>でしたね♪
                             再放送されたら全話みるぞ~!
by おきざりスゥ。 (2007-06-20 01:24) 

びっけ

おきざりスゥ。さん、コメントありがとうございます。
「セクシーボイス・アンド・ロボ」・・・やっぱり平日の夜のドラマ鑑賞は厳しかった!
先週の10話は見れたのだけれど、昨日は気がついたら10:20!
途中からじゃぁなぁ・・・ということでパスしちゃいました。(^^;
>最終話は<桜時間>でしたね♪
気になる! 気になる!
再放送があったら、ちゃんとタイマー録画して話題の8話、9話もぜひ見たいです!
by びっけ (2007-06-20 07:49) 

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