SSブログ

『ラプンツェル(子どもに語るグリムの昔話3)』 [児童書]

ラプンツェル・・・と言われても最初は何のことか分かりませんでした。
この『子どもに語るグリムの昔話3』の中に収録されているのを読んで、はじめて(あぁ、あのグリム童話の「髪長姫」のことね)と納得しました。
子どもの頃にグリム童話を読んだ時は、「髪長姫」というタイトルだったような気がするんですけれど・・・。
あれっ? 私は大正の生まれか? と、ふと不安になったり・・・。

で、「ラプンツェル」です。
ラプンツェルとは、そもそも植物の名前です。
和名はノヂシャ、オミナエシ科。小さな白い花が固まって咲き、葉っぱはサラダなどに使われます。
こちらにラプンツェルの花と葉っぱの画像がありました。
岡山理科大学 総合情報学部 生物地球システム学科  植物生態研究室(波田研)のHPです。

あるところに住んでいた亭主とおかみさん。もうすぐ子どもが生まれます。
でも、おかみさんは沈んだ様子。
「どうしたんだ?」と亭主が聞くと、おかみさんは言うのです。
「女魔法使いの庭に生えているラプンツェルが食べたくて食べたくてしょうがない」と・・・。

女房思いの亭主は、こっそり魔法使いの庭からラプンツェルの葉っぱを取ってきて、おかみさんに食べさせます。
ところが、それが魔法使いにばれてしまって・・・。
無事、生まれた女の子は魔法使いに連れて行かれてしまいます。

魔法使いは、その女の子にラプンツェルと名前をつけ、12歳になると高い塔に閉じ込めてしまいます。
階段もなく、出入り口も無い、窓が一つあるだけの高い塔に・・・。
魔法使いがラプンツェルのところに行く時は、ラプンツェルの長い髪の毛を窓から外に垂らさせて、それをロープ代わりにのぼっていくのです。
以下、王子さまが登場したり、王子さまの目がつぶれてしまったり(さすがグリム童話! しっかり残酷な目に遭ってます)、最後はハッピーエンドだったり・・・。

グリム童話・・・子どもの頃、読んだ時とは、きっと違った感想を持つと思います。
私はラプンツェルの葉っぱを食べたばかりに娘を魔法使いにとられてしまった母親の心情を思うと・・・辛いです。
ついでに、魔法使いも最後にやっつけられればよかったのになぁ・・・と思ったり。
これは、子どもの頃と、考えているレベル、変わらないか・・・。

こぐま社の、このグリム童話シリーズはタイトルに「子どもに語る」とあるように、やや控えめな描写になっています。(でも、結構、怖かったりもする)
また、素話(すばなし :文章を暗記して、本を見ないで、お話を語る)にも適した文体になっています。

収録されているのは以下の10篇です。
 七わのからす
 星の銀貨
 ヘンゼルとグレーテル
 三人の糸つむぎ女
 「おぜんよ、したく」と、金出しろばと「こん棒、出ろ」 (「北風のくれたテーブルかけ」に似た話です)
 手なし娘
 うさぎとはりねずみ
 ものしり博士
 ラプンツェル
 忠臣ヨハネス

子どもに語るグリムの昔話〈3〉

子どもに語るグリムの昔話〈3〉

  •  訳 :佐々梨代子・野村ひろし(さんずいに玄)
  •  こぐま社
  •  1991/10
  •  18×14cm 186p

◆ おまけ
なぜに、グリム童話の数ある作品の中から「ラプンツェル」を選んだのか?
それは、もちろん、BUMP OF CHICKEN絡みです。(^^;
バンプのDVD『ジュピター』に収録されている『ダイヤモンド』という曲のメイキング映像に、バンプのメンバーがふざけて歌い踊っている映像が入っています。
その中で、歌っているのが「ラプンツェル」?なのです。

♪ ラプンツェルの心 おまえの心
  ときめかせて ラプンツェル
  ときめかせて ラプンツェル

  ラプンツェル ときめかせ
  夢からさめたら 一途な
  ラプンツェルの思いは・・・
  私の心にフューチャリング

一体、何のことを歌った歌なのか、私にはわかりません。(^^;
また、あれでしょうか? マンガのネタなの? それともゲーム?
まさか、まさか、グリム童話の「ラプンツェル」じゃぁ、ないよね?
jupiterDVD.jpg

jupiter

  •  トイズファクトリー
  •  2002/12/18
  •  DVD


nice!(4)  コメント(8)  トラックバック(0) 

nice! 4

コメント 8

かおり

私はラプンツェルが塔の上から髪をたらしている姿が
浮かんだだけで、お話の内容をすっかり忘れています^^;
この本は装丁が美しいですね♪
グリムのお話はやはり残酷な描写がありますね
しかし・・・「ジュピター」CDしか持ってません・・・。
by かおり (2007-05-08 23:33) 

ユウスケ

ドイツに行く前に、グリム童話を読みましたが、
あれは怖いですね、、、私は青髭とか怖いです。。。
バンプの唄にも、出てくるんだー
by ユウスケ (2007-05-09 12:24) 

びっけ

青い花さん、nice!&コメントありがとうございます。
装丁に目がいくあたり、さすが「青い花」さんでございます。
薄紫色の花の絵・・・品がいいですよね。
グリム童話・・・本当に怖いです!
楳図かずお並(いや、それ以上か!)の怖さであります。
by びっけ (2007-05-09 17:33) 

びっけ

ユウスケさん、nice!&コメントありがとうございます。
そうだ! ユウスケさんはグリム兄弟生誕の地、ドイツに今いらっしゃるんでしたね。
「青髭」・・・とても子どもには語ってきかせられません。(^^;
「ラプンツェル」・・・あれは即興で遊びで作った歌なのかなぁ。
いつものCDのアレのようなノリです、はい。
by びっけ (2007-05-09 17:42) 

Cecilia

福音館から出ているホフマン画の絵本のほうで何度も親子で読みましたが、「本当は恐ろしいグリム童話」ではかなりすごい解釈をされていますよね。
絵本ではラプンツェルは出産しませんが、出産するのですよね。

髪長姫・・・といえば私は秋野不矩さん(この字でしたっけ?)の絵(だと思う)の日本の話を思い出します。
小学生のときよく読みました。
by Cecilia (2007-05-15 13:41) 

びっけ

Ceciliaさん、nice!&コメントありがとうございます。
>絵本ではラプンツェルは出産しませんが、出産するのですよね。
そうなんです。ラプンツェルの妊娠がばれて、魔女に王子の存在がわかってしまうのです。
確か、ラプンツェルは、双子を生んだと書かれていたと思います。

髪長姫・・・そう言われれば、日本昔話にもあったような気がしてきました。
by びっけ (2007-05-15 22:35) 

おきざりスゥ。

<ラプンツェル・ラプンツェル>の題名で山岸凉子も漫画化していますね。
彼女の作品<スピンクス>と同じく子離れできない母親の物語という視点で描かれていました。
それにしてもラプンツェル=萵苣とは知りませんでした。
                                        レタスちゃんか~
by おきざりスゥ。 (2007-05-16 13:09) 

びっけ

おきざりスゥ。さん、nice!&コメントありがとうございます。
山岸涼子の『ラプンツェル・ラプンツェル』
容姿コンプレックスを持たされた女性の話でしたっけ?
こういう心理的トラウマ世界を描いた山岸涼子の作品は、私にとっては、一種のホラーでしたわ。

>それにしてもラプンツェル=萵苣とは知りませんでした。
>レタスちゃんか~
えーと、ラプンツェルは萵苣(ちしゃ:キク科)では無くて、
名前は似ているのですが別物のオミナエシ科のノヂシャだそうです。
だから、時々、ラプンツェルをレタスの一種と書いている本もあるのですが、これは間違いだそうです。
私も今回、この記事を書くにあたり、いろいろ調べて、初めて知った次第です。
(^^;
by びっけ (2007-05-16 20:01) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。