『風が吹くとき』のジムとヒルダ [映画]
アニメ映画 『風が吹くとき』 1986年、ジミー・T・ムラカミ監督作品。
私は日本語吹き替え版で見ました。
吹き替え版の監修は大島渚監督でした。
イギリスの田舎で暮す初老の夫婦、ジムとヒルダ。
穏やかで平凡な日常を送っていた二人でしたが、核戦争に巻き込まれてしまいます。
初めは、二人が核に対して あまりに無知であることに あきれて顔をしかめて観ていました。
政府が配布したパンフレット「家庭の皆さんへ 戦争に生き残るための手引き」に書かれている、いい加減な核シェルターの作り方の説明や防御法にも腹が立ちました。
窓を白く塗る。
家のドアを外し、部屋の壁に60度の角度で立てかける。
↑ この簡易核シェルターの陰に隠れる。(!)
14日分の食料を蓄えておく。
原爆が破裂する前に紙袋に入ること。
白い服を着ること。
そして、核爆弾が落とされます・・・・・・。
二人は生き延びます。
次の朝、牛乳配達が来るのを待ちます。
日光浴をします。雨水を溜めます。
国の救援隊がやってくるのを信じて待ちます・・・・・・。
体に変調をきたしてきます。
歯茎から血が出ます。
髪がごっそり抜けます。
最後は、部屋の中の核シェルター(立てかけたドアの陰)で祈りを唱えつつ・・・・・・・・・。
吹き替え版で老夫婦を演じていたのは森繁久彌と加藤治子。
ヒルダ役の加藤治子のおっとりした声。
ジム役の森繁久彌の純朴な、それでいて妻に頼られている夫としてのプライドも感じさせる声。
二人の名優の声の演技が素晴らしければ素晴らしいほど、市井の無垢(無知とも言える)市民を非情にも巻き込んでいく核戦争の怖ろしさが、ひしひしと迫ってきました。
私がこの映画を観たのは1987年8月13日・・・確か有楽町のマリオンだったと思います。
真っ赤に泣きはらした目で劇場の外に出ると、夏の日が眩しく照り付けており、道行く人たちは元気で活き活きとしていて華やかで・・・・・・別世界にワープしたような気持ちになったものです。
amazon でDVD とビデオを探したけれど、ありませんでした。
レンタルショップには、あると思います。
こちらがレイモンド・ブリッグズの原作絵本。
私が持っているのは篠崎書林の1987年発行のものです。
今は、あすなろ書房が出しているのですね。
9 年前の今日、1999 年9月30 日
東海村 JCO の臨界事故が起きました。
核戦争と原子力発電は目的も意味も全く違いますが、その危険性について考えてみる日かな・・・と思い、今日はこの作品を取り上げました。
こんばんは。
「原子力発電は二酸化炭素を出さないクリーンな発電です」というCMを見る度に、笑えないブラックジョークのつもりなんだろうか、と背筋が寒くなります。
まるでこの映画のパンフレットですね。
私も吹き替え版で見ました。
たとえ核の恐ろしさがちゃんと書かれていたとしても、事態が起これば逃れられないことには変りないんだろうと思うと、なんだかやりきれない気分でした。。
by カオル (2008-09-30 22:42)
「風が吹くとき」は僕も劇場で観ました。同時上映は「スノーマン」だったのですが、そのギャップに驚いたものです。絵本も持ってましたよ。
この映画が公開される前に「ア・デイ・アフター」という米国のテレビ特番が劇場公開され高校生の時に観ました。
原子力発電…核廃棄物処理場…核を持たないはずの日本なのに、市民の身近なところに核の危険性はあります。
僕は正直こういった問題に関して何が正しいのか本当にわかりません…ただ、いつも思う事は…豊かさや便利さの為に犠牲になるものがあるとしたら、それは決して幸せな事ではないんじゃないのかなぁって…事です。
核なんてなくなればいいのに……←これが本音
by a-muda (2008-10-01 00:07)
タイトルは覚えてました。
そんな内容だったんですね。
近頃では、「細菌兵器」の方が怖いようです。
いやだねぇ・・・
by たいへー (2008-10-01 12:53)
ビッケさんの記事を読んで絵本の絵を見ると胸が痛くなります
世界に核兵器が無くならない限りこの夫婦のような遭遇にならないとも
言い切れない現実が怖いですね・・・
by Betty (2008-10-01 17:26)
カオルさん、nice!&コメントありがとうございます。
地球温暖化との絡みで原子力発電のことを宣伝されるのは、私も正直言って、辟易します。
消費電力の増加を抑えるためにも、二酸化炭素の排出量を増やさないためにも、夜遅くまで起きていないで寝ちゃうのがいい・・・とわかっていても、あらら、今日も こんな時間。(^^;
by びっけ (2008-10-01 23:16)
a-muda さん、nice!&コメントありがとうございます。
同時上映が『スノーマン』・・・実は私も、同時上映があったような気がするのですが、映画鑑賞記録ノートには、『風が吹くとき』の記録しかないんですよね・・・。うーん、謎だわ。
私も‘核’に風邪をひかせる「ウィルス」みたいなものがあればいいのになぁ・・・と思ったりします。
自然界の生物には無害で、高速の核分裂だけを即効で鎮めちゃう・・・そんなものがあったらいいのになぁ・・・。
by びっけ (2008-10-01 23:21)
夢空さん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2008-10-01 23:31)
たいへーさん、nice!&コメントありがとうございます。
細菌兵器も、ぞっとしますよね。
兵器ではないけれど、新型インフルエンザも恐怖です。(/_;)
by びっけ (2008-10-01 23:33)
Betty さん、nice!&コメントありがとうございます。
核に関しては、地球上どこにも 逃げ場がありませんものねぇ・・・。
核戦争後の未来なんて、SF小説だけで十分なんですけど・・・。
by びっけ (2008-10-01 23:35)
テレビで見た様な気がします。
やり切れないストーリーでしたね!
温暖化抑止とか、エコライフとか、
企業がいくら叫んでもドコカ空々しい気がします。
私は温暖化抑止の為にエコ生活を送っているんじゃない
節約する事は即出費を抑える事になるからです。
水道料金はずっと基本料金内です。
名古屋ではスーパーのポリ袋が有料になりつつありますが
もうずっと前からエコバック持参していた私は、
エコスタンプが廃止になる事が腹立たしくてならない!
スーパーでポリ袋に掛かっていた莫大な費用は
果たして消費者に還元されるんでしょうか???
他人の迷惑にならないエゴライフ=エコライフ
マタマタ記事と反れたコメントになってしまってゴメンナサイ(謝)
by 薔薇少女 (2008-10-01 23:55)
薔薇少女さん、nice!&コメントありがとうございます。
最近のCMで一番???と思うのは、エコライフのために車を買い替えよう!というアレです。
一番のエコライフは徒歩、自転車、次に公共交通機関の利用、さらに車のシェアリング・・・なんじゃないのかなぁ・・・と思って見ています。
私が利用しているスーパーの一つもエコスタンプが廃止になりました。
ちょっぴり悲しいです。(^^;
by びっけ (2008-10-02 20:29)
春分さん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2008-10-04 09:32)
13inches さん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2010-02-16 23:06)