『鷺草物語』大和和紀 [マンガ]
シリウス・・・それは、さながら青白く輝く狼の星・・・。
・・・ということは蒼き狼!?
「蒼き狼」と言ったら チンギス・ハンですが、「黒い狼」と言ったら、この人でしょう。
大和和紀のマンガ 『はいからさんが通る』の登場人物、黒き狼こと鬼島軍曹です。
主人公ではありません。主人公は花村紅緒。
主人公の恋人でもありません。紅緒の恋人は伊集院忍少尉。
黒い狼・・・鬼島森吾軍曹は、いわゆる脇役であります。
でも、『はいからさんが通る』の脇役たちは、とにかく存在感があって濃いですから!!
鬼島軍曹は満州で「黒い狼」として人々から怖れられていた馬賊のリーダーです。
そんな彼が、シベリアで記憶喪失になっていた伊集院少尉を助けたことから、紅緒たちの波乱万丈の物語に巻き込まれていきます。
本編での鬼島軍曹の活躍も さることながら、番外編の鬼島森吾少年の話 『鷺草物語』も、しみじみとした いいお話でした。
森吾少年の母は芸者でしたが既に他界し、彼は伯父の家に引き取られていました。
決して楽でない暮らし・・・「芸者の子!」といじめられる日々・・・。
そんな森吾少年のやすらぎの場所は峠でした。
そこには、恋人が迎えに来るのを待っている女郎ゆきのがいました。
ちょっぴり、母の面影を感じさせる、優しくて、甘いおしろいの香りのゆきの・・・。
ある日、ゆきのは森吾に白鷺の話を語って聞かせます。
昔、猟師が つがいでいる鷺を撃ったのだそうです。
一羽は死に、一羽は傷つきました。
しかし、生きのこった鷺は逃げようともせず、死んだ鷺を守るように側に立っていました。
いつまでも いつまでも・・・・・・。
その白鷺は赤い目をしていて、それはまるで つれあいを亡くした哀しみをたたえているかのようだった・・・と。
そして、ゆきのは、一生一対で添い遂げる白鷺に比べて、人はどうして、そんな風に生きられないのでしょう・・・と悲しそうにつぶやいたのでした。
ギャグ満載の『はいからさんが通る』の中で、唯一、ギャグなしの逸品です。
この文庫コミック『はいからさんが通る4』に収録されています。
◆ 関連過去記事 ◆
『はいからさんが通る』大和和紀
切ないですね・・・
by あんみつ (2009-01-22 21:23)
番外編は知りませんでした
本編もほぼ忘れかけていますが
「夕日と拳銃」を思い出しました
by caramelpapa (2009-01-22 21:36)
あんみつさん、nice!&コメントありがとうございます。
そう言えば、我が家の近くでも、時々白鷺を見るのですが、二羽(たぶん つがい)で飛んでおります。
by びっけ (2009-01-22 22:54)
caramelpapa さん、nice!&コメントありがとうございます。
『夕日と拳銃』・・・題名は聞いたことがあるのですが未見です。
満州、馬賊が、かぶるキーワードのようですね。
by びっけ (2009-01-22 22:59)
はいからさんは懐かしいですが、
脇役さんはよく覚えていません( ̄ー ̄;
こういうすてきな番外編があるのですか。
確かに鷺は、つがいで見かけることが多いですもんね。
by チヨロギ (2009-01-22 23:55)
鷺草物語、記憶の彼方でした・・・^^;
おかげさまで"あ!あれだ♪"と思い出すことが出来ましたよ♥
でも大和和紀は幼い頃にはじめてあこがれた漫画家さんなので
ほぼ全作品揃ってると思うのですが・・・
文庫コミックスを買おうかどうしようか悩みまくっては買っちゃうんですよね
ヨコハマ物語も好きですね!あと、レディー・ミツコ
by かおり (2009-01-23 00:07)
お客さんで、「ハイカラに刈ってくれ」という人がいます。
大正時代に生まれてないので、
なんとも理解出来ませぬ・・・(汗
by たいへー (2009-01-23 11:53)
どちらかというと白泉社、集英社系列の得意な私ですので、大和和紀は苦手分野ですが、それでもハイカラさんやヨコハマ物語はある程度わかります。
でも、この話は読んでないですねー。残念。
by 春分 (2009-01-23 21:44)
夕日と拳銃
伊達順之助氏をモデルにした
壇一雄さんの小説です
昔々映画やテレビドラマになっています
by caramelpapa (2009-01-23 21:54)
チヨロギさん、nice!&コメントありがとうございます。
鬼島軍曹・・・脇役の中でも 2 番手、3 番手のポジションだったかな。
(^^;
by びっけ (2009-01-23 23:34)
かおりさん、nice!&コメントありがとうございます。
おぉっ! 大和和紀、ほぼ制覇!でらっしゃいましたか!
私は、今年、『あさきゆめみし』を再読しようかな・・・と思案中です。(^^)v
by びっけ (2009-01-23 23:37)
わかさん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2009-01-23 23:44)
たいへーさん、nice!&コメントありがとうございます。
ハイカラ・・・今時、滅多に使わない言葉ですものね。
「イケテル風に刈ってくれ」っていうことでしょうか?(^^;
by びっけ (2009-01-23 23:48)
春分さん、nice!&コメントありがとうございます。
苦手分野とおっしゃいながらも、代表作をしっかり押さえているところが流石です。
by びっけ (2009-01-23 23:50)
caramelpapa さん、コメントありがとうございます。
浅学なもので、壇一雄・・・『火宅の人』の作者ということくらいしか知りません。
しかも、それも読んでないし・・・。(^^;
by びっけ (2009-01-23 23:52)
びっけさんの記事を読んで、家にも「はいからさんが通る・番外編」の文庫本があったのを思い出し探してみました。
この本は紅緒と少尉が結ばれたあと、振られた蘭丸と冬星はどうなったかという内容で、残念ながら「黒い狼」さんのエピソードは載っていませんでした。
それにしても登場人物の足の長さには驚きますねぇ(笑)。
by barbermama (2009-01-24 10:00)
『はいからさんが通る』は、少女フレンドでしたっけ?
週刊、月刊共、読んでいたので、『鷺草物語』も、読んだとは思いますが、
黒き狼こと鬼島軍曹という事だけ覚えています。
好みの殿方でしたわ(笑)
相変わらずのPC不調に加え、現実の生活で
トンだ失敗を仕出かし、沈んでいます(泣
by 薔薇少女 (2009-01-24 10:35)
barbermama さん、nice!&コメントありがとうございます。
あっ! 蘭丸と冬星のその後の番外編、面白かったですよね。
確かに、男性も女性も細くて手足が長くて、目がパッチリでしたわ。
(^^;
by びっけ (2009-01-24 21:30)
薔薇少女さん、nice!&コメントありがとうございます。
そうそう! 『少女フレンド』掲載でした。
好みの殿方、私と共通しそうですね。(^^)v
現実生活の失敗から、復活できますように!
by びっけ (2009-01-24 21:35)
夢空さん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2009-01-24 21:36)
たまたま通りがかりました。
リアルタイムは小学生の時です。
一生一対…
30年以上夢に見る言葉です。
永井豪さんのような下劣マンガ派の僕が、内緒でずっと大事にしていたマンガです。
軍曹のように僕は生きているのだろうか?笑
ステキなブログ。ありがとうございました。
by sammuelson (2011-02-26 02:24)
sammuelson さん、コメントありがとうございます。
まぁ、小学生の頃にお読みでしたか!
一生一対・・・重みのある言葉ですよね。
>軍曹のように僕は生きているのだろうか?笑
この話が今も sammuelson さんの心の中に生きているのなら、鬼島軍曹の思いは繋がっていると言えるでしょう・・・きっと。
by びっけ (2011-02-26 22:52)