『くわずにょうぼう』と菖蒲

今日は「こどもの日」ですね。
三年ほど前までは兜や五月人形を飾っていましたが、今は、黒猫兄弟がいるし、息子も成人したしで飾っていません。
菖蒲湯も、息子が小さい頃は せっせと用意していたけれど、この数年は普通のお風呂です。

さて、日本の昔話『くわずにょうぼう』です。

おけ職人の七べえさんは、ある月夜の晩に願い事をします。
　働き者で、飯を食わない嫁ごが来てくれたらなぁ。
実は、七べえさん、とってもけちんぼだったのです。（＾＾；

次の日、かわいい娘が訪ねてきます。
　私は飯を食わずに、よく働くので嫁にしてください。
すごいわ、この娘、バリバリ押しかけ婚活じゃん！

ということで、積極的な娘は、めでたく七べえさんの嫁になりました。
この娘、結婚詐欺ではありませんでした。
重い板もホイホイかついで働くし、ご飯は食べずに お茶をすするだけ！
けちんぼの七べえさん、大喜びです。

ところが、どうしたわけか、米びつの米はどんどん減っていく？
不思議に思った七べえさんが、天井裏に隠れて見ていると！

くわずにょうぼう (行事むかしむかし)

• 　文：谷真介　絵：赤坂三好
• 　佼成出版社
• 　1992/03/15
• 　26×22cm　31p

なんと、飯を食わない女房は、実は「やまんば」だったのです。
髪の毛をわけると、頭にもう一つの口がぁ！
二つの口で、おにぎりを食べるわ！食べる！

やはり上手い話には裏があるんですね。（＾＾；

そのうち、自分も食べられてしまうのではないかと恐れおののいた七べえさんは、女房に
　気が変わったから出ていってくれろ
と頼むのですが・・・。

で、いろいろあって、怖い目に会った七べえさんを助けてくれたのは、菖蒲の葉っぱでした。
あのツンツンにとがった葉っぱに目を刺されて、あわれ、やまんばは目が見えず谷底に落ちて死んでしまったのです。

その日が五月五日だったので、それ以来、やまんばに襲われないように、屋根の上に菖蒲の葉っぱを飾ったり、菖蒲湯に入ったりするようになった・・・というお話です。

菖蒲湯のいわれは、他にもいろいろありますが、こういう昔話もあるんだよ・・・ということで。


菖蒲うんぬんもさることながら
上手い話や結婚詐欺には気をつけよう！
家族を金のかからない労働力扱いするな！
などの教訓も含んでいる昔話かと・・・。（笑）

タグ：絵本

コメント 17

二口女伝説ですね。そして、後半は呪詛的逃走物ですね。いい話です。
美人で働き者という話と思いますが、この表紙絵は頂けないなぁ。
by 春分 (2012-05-06 07:45) 

逆に食べさせておけばよく働く、いいお嫁さんだったのでは？（笑
息子はもう鯉のぼりな歳ではないのですが、
娘のために今年もあげました。
お雛様より動きがあって楽しいようです(^_^;)
by 春日　淳樹 (2012-05-06 10:14) 

お客さんで長距離トラックの運転手さんが
鯉のぼりをほとんど見なかったと言ってました。
この頃は何でも省略なんですかねぇ。

押しかけ女房が実はコワイ○○だった・・というのは昔話によくありますよね。
今は昔話もハッピーエンドにする傾向があるようだけど
教訓として、「残念（残酷）な結果」というのは必要だと思います。
by barbermama (2012-05-06 10:22) 

春分さん、nice!＆コメントありがとうございます。
表紙の絵は、コミカルやまんばですが、やまんばの本性が出るまでは、お目目ぱっちり、黒髪で小柄の優しそうな娘の絵になっております。
ギャップがすごいです・・・新妻の頃と古女房の違い・・・と言えなくもない？！
by びっけ (2012-05-07 00:20) 

春日淳樹さん、nice!＆コメントありがとうございます。
うん、うん。大飯ぐらいでも働き者ならいいですよね。

鯉のぼり、なるほど、風になびいたり、だらんとしたり、動くから面白いというのうなづけます。
by びっけ (2012-05-07 00:30) 

barbermama さん、nice!＆コメントありがとうございます。
鯉のぼり、我が家の近所でも見かけません。
子どもが減ってきていることもあるのでしょうねぇ。

＞教訓として、「残念（残酷）な結果」というのは必要だと思います。
勧善懲悪に因果応報、昔話の大事なところですよね！
by びっけ (2012-05-07 00:36) 

しまふくろうさん、nice！ありがとうございます！
by びっけ (2012-05-07 00:36) 

夢空さん、nice！ありがとうございます！
by びっけ (2012-05-08 21:18) 

RodorigesEX さん、nice！ありがとうございます！
by びっけ (2012-05-08 21:21) 

びっけさん！
＞家族を金のかからない労働力扱いするな！
ここ、思いっきり爆笑してしまいましたよ～（笑）
びっけさん家のことじゃないですよね？（笑）
それとなく不満を記事に盛り込んでるとか・・・（笑）　ｳｿｳｿ
いや～、しかし、頭のてっぺんに口があると、超キモイですな（笑）
今回は（笑）を5回も使ってしまった（笑）
by ALBERT (2012-05-09 00:52) 

ウチの花菖蒲、満開です（＾－＾）
by 夢空 (2012-05-09 12:38) 

ALBERT さん、nice!＆コメントありがとうございます。
ホホホ。
我が家の不満を記事にして、こっそり書くなんて、そんな婉曲なこと・・・。
不満は、しっかり はっきり きっちり 速攻で言ってますから。（爆）
by びっけ (2012-05-09 22:30) 

夢空さん、コメントありがとうございます。
満開の花菖蒲、五月らしいですね。
我が家も、いつの間に夫が植えていたのか、今年になって咲いていてビックリ。
まさに今の季節に咲くんだなぁと感動しました。
by びっけ (2012-05-09 22:34) 

マアカさん、nice！ありがとうございます！
by びっけ (2012-05-11 19:13) 

caramelpapa さん、nice！ありがとうございます！
by びっけ (2012-05-16 08:24) 

びっけさん、こんばんは。
倉橋由美子の『大人のための残酷童話』（新潮社 1984）に
二口女の話がありました。
「飯食わぬ女異聞 」だったかな？

途中までは『くわずにょうぼう』と同じストーリなんですが‥‥
大人仕様なので、良い子は読んじゃダメ！
「非公認戦隊アキバレンジャー」（BS朝日 / 東京MX）みたいに＾＾;
by sknys (2012-05-16 23:29) 

sknys さん、コメントありがとうございます。
「飯食わぬ女異聞」・・・まさに「くわず女房」ですね。
でも途中からが違う？
気になるなぁ。　アキバレンジャーも未知なので、今度見てみようかな？
by びっけ (2012-05-20 22:02)