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『僕と妻の1778の物語』 [映画]

今日は母の日ですね。
息子(&夫)からカーネーションの花束をプレゼントされました。
ありがとう!

ところで、子どものいる夫婦には ありがちなことなのでしょうが、夫は家で私を呼ぶときに「ママ」と呼びます。
飽きもせず毎回繰り返される会話は こうです。

夫「ねぇ、ママ。あのさ・・・」
私「私は、あなたのママじゃない!」
夫「あっ、そうそう。じゃぁ、お母さん」
私「私は、あなたのお母さんでもない!」
夫「えーと、それじゃぁ、びっけクン!」
私「(その呼び方も気にいらないけれど、しぶしぶ)なーに?」

知人の家でも「ママぁ~」「私は、あなたのママじゃありません!」という会話が日常茶飯事だということを聞きました。
日本国中あちらこちらで、この手の会話が行われているのでしょうねぇ。苦笑。

ちなみに、私が夫のことを家で何と呼んでいるかというと・・・
彼の名前から「ひろちゃん」と呼んでいます。
50 過ぎのおじさんをつかまえて「ひろちゃん」も どうかなぁと思いつつ、
さらには、時々ケロケロケロッピをもじって「ひろっぴ」とも呼んでいます。
いえいえ、夫をおちょくっているわけではありません・・・・・・おそらく、たぶん。(笑)

子どものいない夫婦では、お互いのことを名前(愛称)で呼ぶことが多いのでしょうね。

この映画もそうでした。
お互いに「せっちゃん」「サク」と呼び合っていました。
『僕と妻の1778の物語』、2010年星護監督作品です。



僕と妻の1778の物語.jpg



SF 作家の眉村卓氏が、ガンになって闘病生活を続ける妻の悦子さんに毎日一編のショートショートを書き続けた実話の映画化です。

映画では、主人公は牧村朔太郎(草なぎ剛)、妻は節子(竹内結子)となっています。
ガン患者の免疫力を高めるためには笑うことが効果的・・・そう知ったサク(朔太郎)が、愛妻せっちゃんのために毎日毎日、短い SF 作品を書いていきます。

二人が暮している昭和レトロの平屋の家がいい感じです。
SF 作家のサクが持っているブリキのおもちゃのロボットとか、小物にも何となく心が和みます。
サクが書くショートショートを映像化したシーンは不思議で夢があります。

友人(谷原章介・吉瀬美智子)が何度かサク夫婦の家に遊びに来ます。
最初の頃は、せっちゃんも一緒ににぎやかに飲み食いしていたのですが、時間の経過とともに、せっちゃんの病状は進行していき、友人夫婦には子どもが生まれ・・・
せっちゃんが自分の好きな絵本を友人の生まれてくる子どもへあげる場面、少しでも元気なうちに遺品整理をしておこうと、形見分けする場面には胸がつまりました。

死期間近となったせっちゃんは痛み止めのモルヒネのために意識朦朧の状態が続くようになり、彼女が少しでも目を覚ましたときには側にいてあげたいと、付きっきりで寄り添うサクは次第に憔悴していきます。
目が落ち窪み、もうろうとしているサクを演じる草なぎくんの演技には鬼気迫るものがありました。

もし私が病気になって看取られる立場だったら
 そんなにボロボロにならないで。ちゃんと眠って。
 私は静かに逝くけれど、だいじょうぶだから。
って、夫には言っておきたいなぁ。


タグ:映画 2000年代
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barbermama

ウチのお客さんの奥さんが、年取ってからの再婚で子供はいないのに
ダンナの事を「オトウサン」って呼んでいる人がいます。
もっと理解できないのが、子供のいる息子夫婦を「お父さん、お母さん」と呼ぶ親。
子供の前で息子を呼ぶならともかく、本人がいないところで「ウチのお父さんが・・」とか言うのを聞いたときは
混乱しましたよ。
by barbermama (2012-05-13 16:01) 

caramelpapa


「僕と妻の1778の物語」
ほとんど見てはいないのですが
びっけさんの文章読むだけで泣けてきます


眉村卓さんって
よく知らないのですが
光瀬龍さんらと同じように学習雑誌で
児童向けのSFを書いていたのですよね

高校の頃
少年ドラマシリーズで「未来からの挑戦」ってのがあって
何故か話題になっていました

また映画化されるとか


家族の呼び方は
その場にいる
一番若い者にあわせる

そうでなければ
確実に
名前を呼び合う

まあ
無難なのでしょうね

  
by caramelpapa (2012-05-13 17:22) 

chisa

夫婦の間でも「おとうさん」「おかあさん」
家の構成員としてそれぞれの役割が大事だった
昭和までの名残りでしょうね。

でも、私は好きです。暖かい家庭の情景が浮かぶので。

最近は子どもに名前で呼ばれる親もいるとか。
そちらの方が問題のような気がします。
by chisa (2012-05-13 17:59) 

びっけ

barbermama さん、nice!&コメントありがとうございます。
夫=おとうさん化現象、いろいろな場面で展開されているんですね。
確かに、親が息子のことを孫目線で「お父さん」と呼ぶのは違和感ありますねぇ。
(^^;
by びっけ (2012-05-14 22:38) 

びっけ

caramelpapa さん、コメントありがとうございます。
そうそう、光瀬龍、眉村卓、筒井康隆・・・少年ドラマシリーズの原作として鉄壁でしたよね。
映画化・・・おぉっ! 『ねらわれた学園』がアニメ映画化されるのですか。
どういう風になるんだろう?

なるほど、一番若い(幼い)者の視点で呼び合うということですね。
将来、孫が出来たとして・・・「おばあちゃまですよぉ~」と自分では言いたくないなぁ。(^^;
by びっけ (2012-05-14 22:45) 

びっけ

chisa さん、コメントありがとうございます。
小学生くらいの子が、親のことを名前で呼ぶのは、私も聞いていてドキッとします。
フレンドリーさより、長幼の序!と思ってしまいます。(^^;
by びっけ (2012-05-14 22:46) 

びっけ

春日淳樹さん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2012-05-14 22:47) 

春分

日本のSFっていまいっちょだなと思ってたあの頃、眉村卓も興味は
なかったけど、こんなふうにその名に再会するのは感慨深いです。
日本の作家たちも、何もかも皆懐かしい。
by 春分 (2012-05-15 06:59) 

ALBERT

なはは!ママですか、若いなあ~(^^)
私も名前で呼んだことはありませんし、カミさんも「おとうさん」です。
by ALBERT (2012-05-15 09:40) 

びっけ

春分さん、nice!&コメントありがとうございます。
筒井康隆氏も、いまだ健在ですしね。
時々、彼のブログ(日記)を読んでます。
ツィッターのフォロワーは辞めちゃったけど。(^^;
by びっけ (2012-05-15 22:11) 

びっけ

ALBERT さん、nice!&コメントありがとうございます。
まぁ、若いだなんて・・・。ホホホ (*^^*)
そうかぁ・・・「おとうさん」と呼ばれてらっしゃるのですか。
まさか、「ALBERT!」と呼ばれていると思ってはいませんでしたが・・・。(爆)
by びっけ (2012-05-15 22:37) 

びっけ

caramelpapa さん、nice!ありがとうございます!
by びっけ (2012-05-16 08:23) 

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