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『天体観測』 BUMP OF CHICKEN [バンプオブチキン]

冬は空気が冷たく澄んでいるからでしょうか、星空が特に綺麗に見えますね。
天体観測・・・。

バンプのこの曲では、時間は午前2時、場所は踏切ですが
私の天体観測の体験は
「午後10時 高校の屋上 天体ドームで 星を見た」(超字あまり おそまつ)でした。 

高校時代、地学の先生の発案により希望者だけで学校の屋上の天体ドームで天体観測をしたのです。
わたくし、夜ふかしは得意技ですが、寒いのは苦手なので、天体観測らしい天体観測をしたのは、これっきりぽっきりです。

で、バンプオブチキンのメジャーでの第2弾シングル『天体観測』(2001年3月14日発売)です。
当時、この曲はよく耳にしていました。でも、この曲を演奏しているバンド名までは知りませんでした。
だから、『カルマ』でバンプに興味を持って、いろいろ曲を聴いてみて
(あぁっ~!!! これって、バンプの曲だったのぉ~!!!)とビックリしました。

この曲は、途中だけでなく、最初から最後まで通しで聴いてほしい曲です。
私が『天体観測』ヒット当時に、この曲をあまり意識しなかったのは、一度として通しで聴いたことがなかったせいだと思います。
通しで聴いていたら、この詩のうまさに絶対惹かれていたはずです。

「イマ」という ほうき星を追いかける・・・というテーマの展開も好きだし、好きなフレーズや印象的なフレーズがたくさんあります。
歌詞検索は、こちら「うたまっぷ」をどうぞ!(右上の歌詞検索をクリックすると検索画面になります)
        http://www.utamap.com/index.html

私は主に歌詞に惹かれたわけですが、音楽関係の方はどう評価していたのか、気になっていろいろ調べて見つけたのがこの本です。
近田春夫の著書『考えるヒット5 大きくふたつに分けるとすれば』 (2002年発行)。
近田氏は、こんなふうにバンプを評しています。以下、少し長いけれど引用させていただきます。

BOCの『天体観測』は曲の‘意味’が新しい
  (略)
まず、文科系なのか肉体派なのか、それが判然としない。同じく、商売物なのか音楽の追求を第一義としたものなのか。水っ気はある。それは間違いない。例えばヴォーカルにはある種の手慣れた色気がある。自分の声にセックスアピールのあることを知っている歌い方なのだ。といって肉声を百%くどきの道具にしているかというと、むしろサウンドとの関係にものすごく気をくばっていたりもして、フェロモン以上に音楽家的集中力を感ずる場面も多い。
  (略)
ミックスダウンのバランスである。実は相当に変なのだ。一番顕著なのはバスドラで、本来もっともっとボトムが欲しいような箇所でも、他の楽器に埋もれてほとんど聴こえてこなかったりする。今時、こんなに低音部の曖昧なミックスは他にないと思う。
  (略)
ところが、よく考えたら別にすべての音楽で低音が充実していなくたって構わない。それに、この曲が刺激的に思えるのも、色々なことを考えずにはいられない気持ちになるのも、このミックスと無関係ではないハズだ。
あっ、そうか!! この曲の独特なのは(バスドラや歌唱といった)ディテールに秘密があるのではない。あえて新しさというが、独自性でもいいです。全体を貫くそうしたものが、すでに体系化されている。この曲が独特なのは(ユニークだったりする)ディテールのすみずみまで整合性が保たれているからだ。
  (略)
ずっと、使うのガマンしてたんだけど、今日はいうよ。この曲、‘意味’が新しいんだと思う。久々に考えてしまうヒット曲でありました。
『考えるヒット5 大きくふたつに分けるとすれば』 著 :近田春夫 出版社 :文藝春秋 p.56,57

近田春夫氏が評論家として、どのようなポジションにいらっしゃるのかは正直わかりませんが、このレビューを見て、嬉しくなったのは事実です。
この本にはバンプの『ハルジオン』のレビューも書いてあります。(p84,85)
タイトルは「BOC 『ハルジオン』の歌詞は確固たるコトバの連なりである」です。この曲も近田氏のお気に召したようです。

天体観測

天体観測

  •  BUMP OF CHICKEN, 藤原基央
  •  トイズファクトリー
  •  2001/03/14
  •  CD

  ↓ こちらが引用させていただいた本です。

考えるヒット〈5〉大きくふたつに分けるとすれば

考えるヒット〈5〉大きくふたつに分けるとすれば

  •  近田 春夫
  •  文藝春秋
  •  2002/04
  •  単行本


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コメント 6

kendo

僕もBUMPの歌詞は大好きです。
歌詞にこんなに惹かれるアーティストは僕の中では
珍しいですね~。
by kendo (2007-01-31 22:13) 

まつり

わたしもBUMPの曲が好きなのは8割くらい歌詞のためだと思ってます☆
この近藤さんの記事は初めて見ました!「なるほど~」とまた改めて感心してしまいました♪
by まつり (2007-01-31 23:16) 

びっけ

kendoさん、nice!&コメントありがとうございます。
BUMPの曲には、聴けば聴くほど味がでるスルメ系が多いように感じます。
それは、やはり詩がよく練られているし、鋭いからだろうなぁと思います。
私は、洋楽も大好きなのだけれど、やはり母国語の方がダイレクトに訴えてきますね。
by びっけ (2007-01-31 23:49) 

びっけ

まつりさん、nice!&コメントありがとうございます。
1stアルバムや2ndアルバムの物語性のある詩も好きですが、最近のシンプルな詩もいいですよね。

近田春夫・・・私が知っているのは、その昔、ジューシー・フルーツというグループがあったのですが、そのヒット曲「ジェニーはご機嫌ななめ」を作曲した人だということ。
この「考えるヒット」は、今も週刊文春に連載されているようです。
(週刊文春、読んでないから、おそらく多分の情報ですけど。)
by びっけ (2007-01-31 23:58) 

miyuco

ドラマ『天体観測』はこの曲のイメージからつくられたということです。
どんなふうに作ろうと、この歌詞の世界をこえることはできないのに
と、ちょっとムッとして、ドラマはみませんでした^^;
フルコーラス聴くとず~んと響いてくる曲ですね。大好きです。

近田春夫はその昔、オールナイトニッポンで、歌謡曲を流しながら、
おもしろい批評をやってました。
図書館に行くと週刊文春の「考えるヒット」だけ拾い読みしてます^^
でもバンプのことをこんなふうに書いていたなんて知らなかった…
by miyuco (2007-02-01 18:56) 

びっけ

miyucoさん、nice!&コメントありがとうございます。
ドラマ『天体観測』はバンプのことは露知らず、オダギリジョーが出演しているという理由だけで途中2回ほどチラ見しました。
ですが、何せ登場人物は多いし、オダジョーは暗い役で出番もそれほど多くないし・・・あまり興味が持てなかったです。
近田春夫、曲によっては辛口批評もあるけれど、このバンプの曲についてはかなり好意的でしたよ。
by びっけ (2007-02-01 19:47) 

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