『おかあさんの紙びな』作：長崎源之助 絵：山中冬児

3 月 3 日は、ひなまつり

折り紙で作る おひなさま・・・その折り方を子ども達に教えている おばさんが います。
そのおばさんが、自分が子どもだった頃のことを話して聞かせるという内容の絵本です。

おかあさんの紙びな (創作絵本 33)

• 　作：長崎源之助　絵：山中冬児
• 　岩崎書店
• 　1976/02/25
• 　29×25cm　27p

子どもの頃、戦争があって、ひなまつりなんてできなかった。
おひなさまは田舎に預けていたので空襲で焼けることはなかった。
でも、戦後は食べるものがなくて、私は毎日ひもじくて泣いていた。
ある日、おかあさんが白いご飯をどっさり食べさせてくれた。

3 月になって知った。
あの時食べたお米は、おひなさまと取り替えたものだということを・・・

泣きぐずるわたしに、お母さんは紙びなを折ってくれた。

　でも、おかあさんは、だまって
　紙のおひなさまを　おっていたわ。
　だいりさま、三人かんじょ、五人ばやし・・・・・・。
　おりながら、　おかあさんは　ないていた。
　声をかみころし、かたをふるわせ、
　それでも　こんきよく　おひなさまを
　つくりつづけていたっけ。

　　『おかあさんの紙びな』　長崎源之助　p.21


★
そう言えば、祖母が千代紙で お雛さまを折ってくれたことが ありました。
あの お雛さま、どこへ行っちゃったのかしら？
もう一度作ってもらいたいけれど、祖母は今年 1月に 96 歳で亡くなりました。
あぁ、ちゃんと教わっておけばよかった・・・

おばあちゃん、不肖の孫で ごめんね。

タグ：絵本

コメント 14

これってフィクションだったんだ

実話かと思っていた

ちょっと残念というか？

でも
同じ話？

　　　　
by caramelpapa (2011-03-04 07:17) 

先日たまたま同じようなお話が新聞の投書欄に載ってました。
戦時中はこのような出来事がたくさんあったんでしょうね。

私の祖母は９１歳で亡くなりましたが、子供の頃毎日聞かされた「お話」と同じ内容の民話が再放送ドラマの中に出てきてビックリ。
もっとちゃんと記憶しておけばよかったと後悔しました。。
by barbermama (2011-03-04 07:59) 

ぼんぼちぼちぼちさん、nice！ありがとうございます！
by びっけ (2011-03-07 20:23) 

caramelpapa さん、コメントありがとうございます。
うーん、どうなんでしょう？
barbermama さんがコメントに書いてくださっているように、当時は同じようなできごとが実際に幾つもあったのかなぁと思います。
哀しい時代でしたね。（；＿；）
by びっけ (2011-03-07 20:25) 

manamana さん、nice！ありがとうございます！
by びっけ (2011-03-07 20:25) 

barbermama さん、nice!＆コメントありがとうございます。
食べるものを確保するのが最優先の時代だったのですよねぇ・・・（ｖ＿ｖ）

おばあさまが幼いbarbermama さんに語る昔話・・・今、barbermama さんが本をよく読まれるのも、おばあさまの影響があるのかもしれませんね。
by びっけ (2011-03-07 20:30) 

春日淳樹さん、nice！ありがとうございます！
by びっけ (2011-03-07 20:31) 

すずめさん、nice！ありがとうございます！
by びっけ (2011-03-07 20:31) 

夢空さん、nice！ありがとうございます！
by びっけ (2011-03-07 20:33) 

春分さん、nice！ありがとうございます！
by びっけ (2011-03-07 20:34) 

＠ミックさん、nice！ありがとうございます！
by びっけ (2011-03-07 21:13) 

鶴も折れない私です。
雛なんてとてもとても・・・
by たいへー (2011-03-08 13:32) 

たいへーさん、nice!＆コメントありがとうございます。
鶴は最終的に三次元になりますからねぇ。
私の知ってる紙びなは二次元です。少しは楽かと・・・。（＾＾；
by びっけ (2011-03-08 22:58) 

どらおさん、nice！ありがとうございます！
by びっけ (2011-05-12 20:42)